2003 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic Artificial Mouthの開発
Project/Area Number |
14657511
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
小田 豊 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085838)
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Keywords | 顎運動 / 咬合力 / Aartificial mouth / 顎模型 / 補綴材料 / 材料試験 |
Research Abstract |
口腔機能を模した、上下顎全体を含み、動的な咬合力を加えることができるartificial mouthを開発し、咬合機能が、材料に及ぼす影響と補綴材料や構造が咬合機能に与える影響を相互に調べることを目的として研究を開始した。 初年度の14年度はその第1段階として(1)Dynamic artificial mouthに関わる調査ならびに駆動装置、環境制御の設計について検討を加えた。その結果、(1)駆動装置:咀噛速度(3-4Hz)、咬合力(60kgf)から油圧サーボ駆動装置を用い最大ストローク25mm,最大荷重200kgfとする,(2)環境制御:顎全体をチャンバー内に入れ、温度コントロールされた人工唾液を循環させる。などの設計を行った。 平成15年度はその第2段階として駆動装置について検討を加えると共に、顎模型の荷重試験を行った。駆動装置については、前年度の調査に基づき、咬合力に相当する荷重条件を臼歯部で60kgf、咀嚼速度相当する駆動速度(3-4Hz)、三次元6自由度で下顎モデルが運動可能な装置とするための機械設計を検討した。その結果、油圧サーボ式装置、電気機械式装置、油圧サーボ式と電気機械式の複合装置の3案が提案された。油圧サーボ式装置では大きな荷重と高速の駆動速度が可能であるが三次元6自由度の装置が大型になること、電気機械式装置では三次元6自由度の装置はコンパクトにすることが可能であるが、60kgfの荷重が困難で駆動速度も2Hz程度が最高速度になることが明らかとなった。従って、油圧サーボ式と電気機械式の複合装置で設計を検討することとした。現在は、下顎模型の運動と咬合力の負荷の制御モード切り替え条件が課題となっている。顎模型の荷重試験では、Dental Prescale(50HR ; GC)と咬合力測定器(オクルーザー:GC)を用いて解析し,咬合力はy=0.908x-1.63(R2=0.9908)y:biting force(N),x:垂直荷重(N)の関係が得られ,垂直荷重に比例した90%に相当する咬合力が得られることが明らかとなった.また,20名の成人の咬合力の最頻値は600〜1000Nにあり,咬合面積の最頻値は10〜30mm^2,にあった. 以上のことから,顎模型には1000N以上の荷重が必要とされるものと考えられた.また,biting areaは成人男子と比較して小さく,咬合調整の検討が必要と考えられた.
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Research Products
(1 results)