2003 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー照射によるインプラント表面改質の効果(in vitro)
Project/Area Number |
14657514
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
中村 正明 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50067055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 浩 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20152118)
武田 昭二 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (20067185)
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20228430)
粟津 邦夫 大阪大学, 大学院・工学研究科・自由電子レーザー研究施設光量子プロセス工学講座, 教授 (30324817)
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Keywords | レーザーアニール / RFスパッタ蒸着法 / アパタイト系薄膜 / 骨芽様骨細胞 / ヒト歯根膜細胞 / 細胞増殖 / 細胞接着 / 細胞分化 |
Research Abstract |
チタン表面にアパタイト系薄膜を形成する手法としてRFスパッタ蒸着法を用いる.さらに,形成された薄膜の結晶性を高めるためCO_2レーザー装置から得られる様々な波長のレーザーを照射した.また,エキシマレーザーアブレーション法による薄膜形成についても同時に行った. 1.薄膜の形成評価について (1)RFスパッタ蒸着法:X線回折でランプアニール700℃,20分,およびCO_2レーザーアニーリング波長9.3μmおよび100,1000パルスによって結晶ピークを確認し,ランプアニーリングで最も大きいピーク強度を確認した.膜厚は10,000Å,表面荒さは400nmであった.2)エキシマレーザーアブレーション法:X線回折で380℃,60分で結晶化していることを確認した.膜厚は500〜5,000Å,表面荒さは15nmであった. 2.薄膜の分子生物学的評価について (1)RFスパッタ蒸着法:アニール前の薄膜上では,ヒト骨芽細胞の細胞接着および増殖が認められたものの,ランプアニール後は有意に低下した.一方,レーザーアニール後は,細胞接着および増殖の低下は認められなかったものの,有意な増殖は認められなかった.また100パルスアニール後で短,長期両骨分化マーカー遺伝子発現量の有意な上昇が認められた.2)エキシマレーザーアブレーション法:チタン板上のHAP超薄膜はラット骨髄細胞の細胞増殖には影響を与えなかったものの,短,長期両骨分化マーカーにおける遺伝子発現量の有意な上昇が見られた.さらに膜厚によって発現量に差のあることがわかった. 3.交付期間内での成果について RFスパッタ蒸着法によって形成したアパタイト薄膜をCO_2レーザーアニーリングすることで,骨分化に有用な表面改質を行う波長ならびに照射回数を得ることができただけでなく,エキシマレーザーアブレーション法でも同様に有用な膜厚を探索することができた.
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