Research Abstract |
アクチビンAは,TGF-βfamilyに属しアフリカツメガエル(Xenopus)において中胚葉誘導能を示すことが報告されて以来,代表的な分化誘導因子として認識されている。我々は,in vitroにおいてXenopus胞胚期予定外胚葉片(アニマルキャップ)をアクチビンA存在下で培養(アニマルキャップアッセイ;ACA)すると濃度依存的に血球,筋肉,脊索や心臓,膵臓などの中胚葉組織が誘導されること,アクチピンAにて前処理したACを,アクチビンA未処理のAC二枚で挟み込むSandwich culture (SC)では,アクチビンAの前処理時間に依存して,頭部から胴尾部の組織が誘導されること,またACA-SCによりアルシアンブルー陽性軟骨様原基が誘導されることを報告した。今回我々は,ACA-SCにより誘導されたアルシアンブルー陽性軟骨様原基をRT-PCR, in situ hybridization (ISH),免疫組織染色を用いてさらに検討した。 [方法]ACA-SCを2,4,7,10,14日間行ったexplantからRNAを抽出し,type 1 collagen(coll 1), type 2 collagen(coll 2), Xenopus Distal-less 4(Xdll 4), cartilage homeo-protein 1(car 1)の発現をRT-PCRにて検討した。また,Nieuwkoop and Faber Stage(St.)22〜28,36,41のXenopus embryoを頭部,胴尾部に切断後,RNAを抽出し遺伝子の発現を検討した。4,7,10日間培養explantのcoll 2,car 1の局在をISHにて,coll 2の局在を免疫組織染色にて検討しXenopus embryoの各Stageと比較した [結果と考察]coll 1,2は2〜14日間培養したexlpantにおいて発現を認めた。embryoでは,St.22〜28以降に強く発現していた。Xdll 4は,explantでは2〜14日間培養したもので発現を認め,embryoではSt.22〜28以降の頭部のみで発現を認めた。car1は,explantでは,その発現は2,3日間培養したもので弱く,4〜10日間培養したもので強く発現していた。embryoでは,St.22〜28の頭部で弱い発現を認めSt.36,41において強く発現していた。またISHにおいては,coll 2,car 1ともに4,7日間培養したexplantの軟骨原基に限局して発現を認めたが,10日間では発現が消失した。さらに,免疫組織染色において,4,7,10日間培養したexplantの軟骨原基におけるcoll 2の発現は,それぞれSt.40,42,44の鰓弓軟骨におけるcoll 2の発現に類似した像を示した。以上の結果から,in vitroにおいて予定外胚葉領域未分化細胞からアニマルキャップアッセイにより誘導された軟骨組織は頭部軟骨組織である可能性が強く考えられた。
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