2002 Fiscal Year Annual Research Report
痛み刺激で誘発される瞳孔散大反応のメカニズムの解明
Project/Area Number |
14657535
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岡 俊一 日本大学, 歯学部, 講師 (20256879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 一郎 日本大学, 歯学部, 助教授 (90198078)
清水 治 日本大学, 歯学部, 助手 (40260971)
見崎 徹 日本大学, 歯学部, 助教授 (30130610)
田中 博 日本大学, 歯学部, 教授 (30059555)
小池 一喜 日本大学, 歯学部, 助教授 (70096808)
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Keywords | 瞳孔 / 痛み / 体性感覚誘発電位 / 瞳孔散大反応 / 亜酸化窒素 / ペインレポート |
Research Abstract |
痛み刺激により瞳孔は散大することが知られている。我々は、この痛み刺激により生じる瞳孔散大反応は、痛み刺激後約0.33秒後に増大し始め、約1.25秒後に最大になる事を報告している。また瞳孔は、興奮、興味などの精神活動でも変動することが知られている。これらのことから、瞳孔は痛み刺激の客観的指標あるいは鎮静レベルの客観的指標になりうると考えている。 そこで本研究は、瞳孔散大反応が、痛み刺激の客観的指標になるかを調べるため、笑気吸入下での瞳孔散大反応を測定した。 6名の健康成人を対象とした。刺激は強度の異なる2種類(VAS=3,7)の電気刺激をランダムに、指より10秒間隔で30回(one block)、計two block行った。吸入笑気濃度は、0、10、30、50%とした。痛みの客観的評価法として体性感覚誘発電位を、主観的評価法としてpain reportを用いた。各笑気濃度吸入20分後に、瞳孔散大反応、体性感覚誘発電位およびpain reportを測定した。瞳孔径の測定は眼球運動計測システムを用い、256Hzの割合で刺激前2秒より刺激後3秒まで持続的に測定し、加算平均した。 その結果、痛み刺激の強度が増すに従い、瞳孔散大反応の振幅は大きくなった。また笑気濃度が増すに従い、瞳孔散大反応の振幅は減少し、また体性感覚誘発電位の後期成分(P80-N150、N150-P250)およびpain reportも減少した。 本研究結果から、瞳孔散大反応は、痛み刺激の客観的評価法になりうることが分かった。また笑気濃度が増すに従い、瞳孔散大反応の振幅の減少させる事が分かった。
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