2002 Fiscal Year Annual Research Report
下顎頭に対する局所遺伝子導入法を用いた下顎の成長発育制御に関する研究
Project/Area Number |
14657543
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90187732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 祥行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70251535)
大山 紀美栄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90014216)
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Keywords | 下顎頭 / IGF-I / 内軟骨性骨形成 / 局所投与 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
本年度は研究計画に従い、IGF-IのmRNAのアンチセンスオリゴヌクレオチドの作製、およびラット下顎頭への薬物の導入法について実験を行った。生後10日のラット下顎頭の無血清器官培養の系において、培養液にIGF-Iアンチセンスオリゴヌクレオチドを添加して2日間培養を行い、組織学的観察を行ったところ、関節表層の線維層直下の所謂embryonic layerの細胞に核濃縮など細胞の変性像が観察され、IGF-Iアンチセンスオリゴヌクレオチドが、下顎頭の成長発育に抑制的効果を及ぼす可能性のあることが示唆された。一方、下顎頭の関節包への薬物の導入方については、上皮を切開し関節包を直視してシリンジにて投与する方法を改良して、上皮を切開することなく直接シリンジにて関節包内に薬液を注入する方法を開発中である。さらに、顎関節包内へIGF-Iを投与し、下顎頭軟骨に惹起される変化を組織学的に観察したところ、軟骨層の幅の増大、軟骨下海綿骨層における骨領域の減少が見られ、また、生体染色による計測の結果からIGF-I投与群において内軟骨性骨形成による成長量が増加していることが明らかとなった。これらの結果は顎関節内への薬物の局所投与により下顎頭組織に影響を与えることが可能であることを示している。以上本年度の実績は論文にまとめ現在投稿中である。今後、実験計画に則り、アンチセンスオリゴヌクレオチドをin vivoの系に移して、組織、組織形態計測学的解析を行っていく予定である。
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