2002 Fiscal Year Annual Research Report
機能異常を伴う早期発症型歯周病患者好中球のプロテオーム解析
Project/Area Number |
14657556
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
栗原 英見 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 茂夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00325200)
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Keywords | 早期発症型歯周病 / 好中球機能検査 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
早期発症型歯周病は早期に発症し、重篤な症状を示す歯周炎である。しかし、その発症メカニズムは解明されておらず、患者の中に、好中球機能異常を示すものがいると報告されている。そこで本研究では、好中球機能異常に関わる蛋白質の発現量、あるいは蛋白質の修飾などをプロテオーム解析を用いることによって解明することを目的とする。 本年度は、広島大学歯学部附属病院歯周病診療室を受診し、口腔内所見およびレントゲン所見から早期発症型歯周病の疑われた患者を選び、早期発症型歯周病患者のデータベースを作成した。本年度は20名の患者を登録した。 登録患者には好中球機能検査を実施した。検査は好中球の貧食能および走化能について調べた。好中球貧食能が正常者に比べて低下している患者はいなかった。好中球走化能を合成FMLPを用いてジグモイドチャンバー法によって調べた結果、正常者に比べて有意に低下している患者3名をスクリーニングした。3名の患者については再検査を行い好中球走化能が低下していることを確認した。 好中球走化能低下を認める3名の患者から末梢血を採取して、好中球を分離した。分離した好中球を合成FMLPによって刺激した後に、総蛋白質を得た。得られた蛋白質を2次元電気泳動によって分離展開し、正常者の好中球の電気泳動パターンとの比較をコンピュータ画像処理によってディファレンシャル分析した。結果、好中球走化能低下を認める患者に特異的な蛋白質のスポットを得ている。
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