2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657558
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (30158117)
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Keywords | ヘリセン / 環状 / アセチレン / オリゴマー / π-π相互作用 / 会合 / 重合 / アゾ |
Research Abstract |
我々はさきにヘリセンを含む環状アセチレンが有機溶媒中で選択的な二分子会合を起こすことをみいだした.本研究では,この化合物を「分子のり」とみなし,様々な「分子のり」多量体を合成して会合挙動を系統的に調べた.まず,「分子のり」をリンカー部で連結した二量体化合物を合成した.とくに,ブタジインおよびジカルボニル構造のものを取り上げた.クロロホルム中でNMRやCD法,VPO法により会合構造を調べた結果,柔軟な構造のリンカー部を有する二量体は分子内で強く会合することがわかった.一方で,剛直なリンカー部を有する二量体は二分子会合体との平衡にあることがわかった.つぎに剛直なアセチレン結合で連結した「分子のり」三量体を設計合成した.この化合物は低濃度では二分子会合体との平衡状態にあるが,高濃度では高次会合を起こすことなく二分子会合する.ただし,上述の二量体にくらべて,会合はかなり強い. 次に,分子間会合による重合体形成を検討する目的で,アゾ基で連結した二量体を合成した.興味深いことに,シス体とトランス体を安定に取り出すことができ,光照射または加熱によって相互変換しないことがわかった.安定なシスアゾ化合物は珍しい.会合については,トランス体は高濃度で選択的な二分子会合を起こし,上述の剛直なリンカー部を有する化合物と同じ挙動を示した.一方,シス体は低濃度では三量体であるが,高濃度では重合することがあきらかになった.構造的に分子内会合と二分子会合をいずれも起こさないためと考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Honzawa, S.Chiba, H.Okubo, M.Yamaguchi: "One-Step Synthesis of Optically Active Cyclic Polyamines Containing Helicene"Heterocycles. 57. 1091-1099 (2002)
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[Publications] S.Honzawa, H.Okubo, K.Nakamura, S.Anzai, M.Yamaguchi, C.Kabuto: "Folding of Dihelicenetriamines in Water"Tetrahedron : Asymmetry. 13. 1043-1052 (2002)
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[Publications] S.Honzawa, H.Okubo, S.Anzai, M.Yamaguchi, K.Tsumoto, I.Kumagai: "Chiral Recognition in the Binding of Helicenediamine to Double Strand DNA : Interactions between Low Molecular Weight Helical Compounds and a Helical Polymer"Bioorganic & Medicinal Chemistry. 10. 3213-3218 (2002)