2003 Fiscal Year Annual Research Report
再燃前立腺がん治療におけるQOL評価と経済評価を統合した意志決定支援ツールの開発
Project/Area Number |
14657601
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濃沼 信夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60134095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 道哉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70221083)
斉藤 誠一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80235043)
荒井 陽一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50193058)
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Keywords | 再燃前立腺がん / QOL / 経済評価 / EORTC-QOL / EQ-5D / 医療費 / ドセタキセル(DOC) / エストラムスチン(EMP) |
Research Abstract |
目的:進行性前立腺癌の治療には内分泌療法が奏効し、良好な治療効果が期待できるが、内分泌療法に抵抗性(HRPC)を示すと治療に難渋することが多く、根治よりもQOLの向上が重要となる。今年度は、近年注目されているタキソイド系抗癌剤(DOC)の効果について、QOL面と経済面から従来の治療法と比較検討する。 対象と方法:東北大学泌尿器科において2003年1〜12月までにHRPCとなり、その後ドセタキセル点滴投与及びエストラムスチン内服による治療(DOC+EMP)を施行した9例。倫理委員会承認の下、QOL調査は、主治医から外来受診時に調査票(EORTC日本語版およびEQ-5D日本語版)を渡して郵送により回収する方法、経済評価は、診療報酬明細書により実施した。 結果:患者の年齢は71.5歳(中央値)、治療開始時PSAは34.5ng/m(平均)、病理組織は全例adenocarcinoma。DOC+EMP群9例を、EMP単独投与群6例、シスプラチン投与(CDDP群)3例と比較すると、EORTC-QOLは群による差を認めなかった。EQ-5Dの効用値はDOC+EMP群が良好な傾向が見られた。DOC+EMP群は、投与期間によるQOLの低下は認められなかった。経済面では、DOC+EMP群の平均請求額は169886点であり、これをEMP群(87530点)と比較すると高値であった。しかしCDDP群と比較するとほぼ同水準であった。 結論:HRPCについてQOL面と経済面から検討したところ、(1)HRPCに対するDOCの投与は比較的副作用が少なく、外来投与可能であった。他の治療法との比較においても、QOLは比較的高く保たれる。(2)DOCは臨床上明らかな治療効果が認められない症例でもQOLは低下せず、HRPCに対する一つの選択肢と考えられる。(3)DOC+EMPは1 QALY向上に必要な医療費が高額であり、今後の検討課題である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 濃沼信夫, 並木俊一: "QOL評価に必要な医療経済学の視点"Urology View. 2(2). 14-21 (2004)
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[Publications] Koinuma, N., Namiki, S.: "QOL and economic evaluation of treatment alternatives for patients with advanced prostate cancer"EJC Suppl. 12(7). 825-825 (2003)
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[Publications] Namiki, S., Koinuma, N., et al.: "Health-related quality of life after radical prostatectomy in Japanese men with localized prostate cancer"Int.J.Urol. 10. 643-650 (2003)
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[Publications] Matsui, Y., Ichioka, K., Terada, N., Yoshimura, K., Terai, A., Arai, Y.: "Impact of volume weighed mean nuclear volume on outcomes following salavage radiation therapy after radical prostatectomy"J Urol. 171. 687-691 (2004)
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[Publications] Akaza, H., Yamaguchi, A., Matsuda, T., Igawa, M., Arai, Y., Usami, M., et al.: "Superior anti-tumor efficacy of Bicalutamide 80mg in combination with a Leuteinizing Hormone-Releasing Hormone (LHRH) agonist versus LHRH monotherapy as first linetreatment for advanced prostate cancer : Interin results of a randomized study in Japanese patients"Jpn J Clin Oncol. 34(1). 20-28 (2004)