2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波造影剤の臓器内動態,細胞障害の評価と評価法の開発
Project/Area Number |
14657628
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
伊東 紘一 自治医科大学, 医学部, 教授 (60095007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾本 きよか 自治医科大学, 医学部, 講師 (90306118)
大河原 重雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (60049088)
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10245053)
藤井 康友 自治医科大学, 医学部, 助手 (00337338)
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Keywords | 超音波造影剤 / 生体作用 / 血小板機能 / 超音波 / 肝細胞 / 電子顕微鏡 / 細胞内小器官 / ラット |
Research Abstract |
1、超音波造影剤レボビストの血小板機能活性に対する影響をフローサイトメトリーを用いて調査したところ、レボビストは血小板機能を活性化することが判明した。また、レボビストとガラクトースは全く同じような所見を認める事から、レボビスト中のガラクトースが影響している事が示唆された。 2、新しい超音波造影剤のDD723について血小板活性の影響を調査したところ、レボビストに比較して活性化への影響は20分の1であることが明らかになった。 3、超音波造影剤を大腿静脈から静脈注射し肝臓への影響を調査するために、レボビストを300mg/mlで溶解し、人体に対する量よりも2倍量を投与した。DD723についても同様に行いそれらの肝細胞内小器官に対する影響を調べた。実験にはウイスターラットとビーグル犬を用いた。超音波造影剤を投与した直後と1日後、7日後、14日後などで、冷2.5%フルタルアルデヒド、2%パラホルムアルデヒドを生体内部に注入した後に臓器を取り出し、固定し、光学顕微鏡、電子顕微鏡で観察し評価した。 4、肝臓は造影剤注入後、1分間連続観察により肝門部付近が高エコーとなり、5分後には肝全体が高エコーとなった。肝表面の肉眼的変化は見られなかった。光学顕微鏡により観察では、1日目から14日目まで肝細胞の細胞膜近辺と核周囲に空包形成を認めた。電子顕微鏡で観察すると、空包形成と1〜2μmの円形異常状構造物を認めた。ミトコンドリアや小胞体は膨化していた。円形の異常構造物は14日では次第に変化して、周囲にハロー様の構造を呈していた。さらに空包に分泌するような所見も見られ、非常に興味のある知見であった。今後この異常な構造物の正体を解明する必要があると共に、細胞外に分泌されてどのような機転をたどるのかを、さらに長期にわたる実験により調査する事とした。 5、ビーグル犬に対する実験でも、ラットにおける実験と同様の結果であり、動物の種を越えて影響が出ているものと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 重田浩一郎, 伊東紘一, 他: "造影超音波検査は肝細胞に影響を与える(電子顕微鏡での検討)"日本超音波医学会基礎基礎技術研究会資料BT-2002-8-14. Vol:102(2). 6-8 (2002)
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[Publications] Kouichiro Shigeta, Kouichi Itoh, et al.: "Endothelial Cell Injury and Platelet Aggregation Induced by Contrast Ultrasonography in the Rat Hepatic Simusoid"J.Ultrasound Med.. Vol:23. 29-36 (2004)
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[Publications] Kouichiro Shigeta, Kouichi Itoh, et al.: "In Vitro Platelet Activation by an Echo Contrast Agent"J.Ultrasound Med.. Vol:22. 365-373 (2003)