2002 Fiscal Year Annual Research Report
看護学生の非言語的コミュニケーション能力の育成に関する研究
Project/Area Number |
14657631
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
西沢 義子 弘前大学, 医学部, 助教授 (60113825)
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Keywords | 看護学生 / 看護師 / コミュニケーション / ノンバーバル / バーバル / 看護教育 |
Research Abstract |
患者と看護者の対応場面を詳細に分析し,看護学生が患者とのコミュニケーションを行う場合の教育上の示唆を得ることを目的とした。被験者は看護学生26名,経験年数5年以上の看護師・看護教官13名とした。被験者は設定した2事例について,模擬患者(以下患者とする)と5分間の対応を行った。 患者は椅坐位の状態であり,看護者は患者から3m離れた場所から対応を開始した。これらの対応場面を全体,患者側,看護者側の3方向からVTR撮影した。撮影した対応場面をパソコンに取り込み1秒毎に分析した。分析した事例は学生のべ50事例,看護師のべ25事例であった。分析項目は患者との距離,会話中の姿勢,位置,発声・発話時間,看護者の顔の方向,表情,うなずき・あいづち,ジェスチャー,自己接触行動とした。 患者と看護者の距離は学生44.2±24.3cm,看護師45.8±23.3cmと有意差は認められなかった。看護者の視線は患者と同じまたは看護者が患者よりも下方となる者は学生10.0%に対し,看護師36.0%と有意に高率であった。これは看護師が前傾姿勢や坐位で対応していたことが関与していた。看護者の発声・発話時間は学生128.2±28.3秒,看護師167.7±39.2秒と看護師が有意に長かった。患者の発声・発話時間は学生,看護師ともほぼ同程度で180秒前後であった。顔方向は学生,看護師ともほぼ同程度で患者側260秒,下方向15秒前後,その他25秒前後であった。表情も同程度で微笑50〜60秒,真顔230〜240秒,その他10秒前後であった。うなずき・あいづちは学生77.6±39.1秒,看護師83.0±27.4秒とやや看護師が長かった。上肢・手によるジェスチャーは学生10.0±13.6秒,看護師26.8±34.2秒と看護師が有意に長かった。自己接触行動は学生,看護師ともほぼ同程度で15秒前後であった。
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