2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657639
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
佐伯 行一 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (30025647)
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Keywords | 表情分析 / 看護観察 |
Research Abstract |
「看護は観察によって始まる」と云われる。そして視線の向こうに患者の顔がある。本研究は、心身一元論に立ち、患者の顔の表情を客観的に読み取り看護観察を科学とする試みである。 今年度は、エクマンが云う、驚き、恐怖、怒り、嫌悪、悲しみ、幸福といった基本の感情の中から医療現場で遭遇する機会が多いと思われる恐怖、嫌悪、悲しみ、幸福の4つの感情を表す顔写真資料を120名のボランティアの協力を得て作成し、第3者による認知テストを行い、上記四つの表情をよく表していると認知された29名の額、眉、瞼、頬、鼻、唇、顎の位置情報を以下の方法で数値化・解析を行った。 (1)Photoshopの画像上で額、眉、眼、瞼、頬、鼻、唇、顎の26カ所の座標を読取りExcelのデータとした。 (2)左右の目頭の中点を二次元座標の原点(0,0)とし、また、左右の目頭の距離を30mmとし規格化した。 (3)グラフ作成ソフト、Sigma plot、を用いて26カ所の観測部位の動きを解析した。 その結果、エクマンの表情分析で述べている内容に概ね一致することが明らかとなり、エクマンの表情分析におけるアナログ表現をデジタル化することが出来た。しかしながら、以下の事項が今後の課題として残され、現在鋭意進行中である。 (1)恐怖の表情での眉の動きはエクマンの指摘するような単純なものではなく嫌悪や悲しみと重複する傾向が見られさらに解析を進める必要がある。 (2)第3者による認知をクリアーできる顔写真が全体の1/4と低い。ポランティア数を250名に引き上げる。 (3)高齢者、幼少者の資料数が少ない。高齢者や幼少者の協力を求める。 (4)医療現場での患者の顔写真資料の入手を進める。 (5)Photoshop画像上の位置情報をExcelのデータに変換するソフトウエアーを開発する。
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