2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14657642
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
前田 ひとみ 宮崎大学, 医学部, 助教授 (90183607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 良宜 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (10218985)
鶴田 来美 宮崎大学, 医学部, 講師 (30258983)
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Keywords | 針刺し / 事故報告 / 意思決定 |
Research Abstract |
針刺し予防や針刺し後のフォロー体制を整備するにあたつては針刺しの報告が適切に行われることが欠かせない。針刺し報告の意思決定に関連する要因を明らかにすることを目的として、昨年度の面接調査の結果をもとに質問紙を作成し、4施設の全看護職員を対象に調査を行った。 質問紙は4施設の全看護職員である1167枚を配布した。質問紙には調査拒否と拒否による不利益が被らないことを記し、承諾・拒否にかかわらず個別に封筒に入れてもらって回収した。回収数は1137(97.4%)で調査拒否等を除いた有効回答数は1044(89.5%)であった。これまでに針刺し経験があった者は528人(50.6%)で、針刺し直後に思ったことは「感染は大丈夫かな」「流水で洗い流さなくては」といった感染に対することが最も多かった。針刺しの報告をした理由としては「報告システムがあったから」「感染が心配だったから」「報告するように教育を受けたから」の割合が高かった。また、針刺し後に一度でも報告をしなかったことがあると回答した者の割合は35.8%で、その理由は「感染の危険はないと思ったから」「自分の不注意だったから」「報告システムがなかったから」「創傷が非常に軽度だったから」が高かった。これらのことから報告するか否かには報告システムの有無と感染の危険性が関与していると言える。また、針刺しによる精神面への影響が有ったと回答した者は41.9%で、その内、精神面への支援があったと回答した者は10.4%であった。また、報告したことで職場に変化があったと回答した者は33.9%であり、その内容としては「安全器機が導入された」「みんなが報告するようになった」の割合が高く、報告の意思決定には周囲の影響もあることがわかった。今回の結果からも精神面に対する支援が少ないことが示され、今後どのように精神面への支援体制を整えていくかが課題である。
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Research Products
(1 results)