2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養者の入院生活を回避するための戦略と外来看護アウトカム測定用具の開発
Project/Area Number |
14657648
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 ひとみ 筑波大学, 社会医学系, 教授 (80173847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙屋 克子 筑波大学, 社会医学系, 教授 (90272202)
増田 元香 筑波大学, 社会医学系, 講師 (60284642)
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Keywords | 在宅療養高齢者 / 入院生活の回避 / 入院を勧める家族 / 外来看護アウトカムモデル |
Research Abstract |
今年度は研究の第二段階として、外来受診中のひとり暮らしの女性高齢者12名を対象に面接を実施した。半構成的な質問内容で、主に受診の理由(病状)と日常生活、そして入院についての考えや家族関係を聴取し、会話を逐語記録した。会話のデータをGrounded Theory法に基づいてコーディングした。カテゴリーとして、「入院を勧める家族」、「入院生活の回避」と「外来通院の利点」が抽出された。特に「入院を勧める家族」では、家族関係とひとり暮らしに至る個別的な経緯が明らかとなった。サブカテゴリーは、「家族の事情が優先される」、「入院生活の利点が強調される」、「家族としての責任を表す」、「ひとり暮らしに対する家族への評価を知る」や「療養施設の情報を探索する」であった。家族が積極的に入院や施設への入所を方向付けている様相であった。一方、このような家族の要請に対して、高齢者が「入院生活の回避」という目標を設定するのである。カテゴリーとして導き出された「入院生活の回避」は、家族の働きかけに対する高齢者の抵抗の意思として表れたものである。サブカテゴリーは「入院の経験がある」、「不快さを振り返る」、「入院への家族の意向を退ける」、「入院しない意思を伝える」や「入院を最終的な選択肢にする」である。これらのサブカテゴリーは、高齢者が入院の経験から学習し、家族の意向を退けて入院しない意思を固める、という高齢者の主体住が顕著に見出されるカテゴリーである。以上のように高齢者と家族との興味深い関係を特徴付ける構造が明らかとなった。次年度は、これらのカテゴリーを活用して外来看護のアウトカムモデルを作成する。
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