2003 Fiscal Year Annual Research Report
胃切除術後患者の栄養状態回復と食生活行動に関する研究
Project/Area Number |
14657664
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中村 美鈴 自治医科大学, 看護学部, 講師 (10320772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 良弘 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20116023)
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Keywords | 上部消化管術後 / 後遺症 / 評価 / 尺度開発 |
Research Abstract |
平成14年度の調査報告にて,胃切除術後患者は術後1・2年経過しても様々な後遺症を抱えながら生活している実態が明らかになった。後遺症の数は,胃全摘術で平均5.5症状,胃部分切除で平均4.7症状であった。また,食道がんの術後においても種々の後遺症を生じている。上部消化管がん術後の後遺症は,年月の経過とともに消失するのではなく,年月が経過しても大半の患者が何らかの後遺症や不定愁訴を抱えながら生活している。しかし,これら複数の後遺症の程度を測定し評価した研究報告は見当たらない。上部消化管がん術後生存者にとっては,複数の後遺症が重複することによる生活障害が生活の質を大きく低下させていると考える。このような症状やその程度,生活障害について長期的な実態把握はされていない。また,後遺症を抱えながら暮らす上部消化管がん術後生存者がどのように生活上困っているのか,どのような思いや気持ちでいるのかについて,具体的に明らかにした研究報告は国内外共に見当たらない。 今年度の研究の目的は,上部消化管がん術後生存者の後遺症の程度を客観的に評価するための尺度原案の作成である。まず,先行文献による事例分析と面接調査により帰納的に抽出した結果から,後遺症を評価する尺度項目を作成する。作成した尺度項目の内容を研究者及び臨床の専門家と共に内容的妥当性を検討後プリテストを行い,尺度項目の原案を作成した。研究対象者は上部消化管がん(胃がんと食道がん)にて手術を受け,術後3ヶ月以上3年以内で対象者の選定基準を満たした患者300名で,半年以内に生存が確認されている患者を外科医師の協力を得て厳密に選出した上で,研究の選定基準を満たす対象者すべてを抽出した。それらの対象に尺度原案を用いて郵送法にて予備調査を実施した。次年度は予備調査の結果を因子分析し,本調査を行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中村美鈴: "胃切除後1〜2年の食生活状況"ALPHA CLUB(胃と腸・療養ジャーナル). 4月号. 2-3 (2003)
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[Publications] 中村美鈴: "PEG患者へのインフォームドコンセントと「口」から食べられることに対する心理的援助"月刊ナーシング. 第21巻 13号. 7-10 (2002)
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[Publications] 城戸良弘: "PEGについて"月刊ナーシング. 第21巻 13号. 1-6 (2002)