2004 Fiscal Year Annual Research Report
実験的手法を用いた氷河関運堆積物と地すべり・土石流堆積物の識別方法に関する研究
Project/Area Number |
14658021
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60273827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 英樹 国立極地研究所, 研究系, 助手 (10271496)
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Keywords | 氷河関連堆積物 / 地すべり / 崩壊 / 土石流 / 実験的手法 |
Research Abstract |
本研究では,氷河関連堆積物と地すべり・崩壊・土石流による堆積物の類似点・相違点について,実験的手法を取り入れながら比較検討し明らかにすることを目的とした.このような目的に即して,以下のような成果を得た. 1)国内で採取されたティルを樹脂固定し作成した薄片の観察結果によると,定性的ではあるが,砕屑物粒子の円磨度にばらつきが大きく,せん断構造や空隙のような,不規則な構造が特徴的にみられる場合があることがわかった. 2)基盤岩や地すべり土塊から採取した石英粒子に関しては,ある程度安定したESR/ルミネッセンス信号が測定されたが,それらと比べると,ティルのESR/ルミネッセンス信号の場合,ばらつきが大きい傾向がみられる場合があることがわかった.崩壊・土石流堆積物については,試料毎の違いが大きく,統一した傾向の把握にまでは至らなかったので,データを増やして更に分析を進める必要がある. 3)実験的に,石英粒子に圧力を加え,破壊や磨耗を起こした場合,ESR/ルミネッセンス信号に変化が生じる場合があることがわかったが,系統的な分析を行うためには,さらに実験条件の厳密化などを考える必要があることがわかった. 以上のようないくつかの定性的な結果が得られたが,当該堆積物の類似点・相違点について系統的に明らかにするためには,今後,より定量的な解析へと研究を深化させる必要がある.
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