2002 Fiscal Year Annual Research Report
感染性処理因難廃棄物「紙おむつ」処理システムの検討
Project/Area Number |
14658026
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
江口 文陽 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助教授 (60337467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 健 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (60008167)
伊藤 隆 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 学部長・教授 (70114999)
須藤 賢一 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 学長・教授 (00236035)
西薗 大実 群馬大学, 教育学部, 助教授 (20228183)
大賀 祥治 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (60117075)
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Keywords | 感染性廃棄物 / 紙おむつ / 高齢化社会対応 / 環境科学 / 微生物処理 / 担子菌 / 抗菌スペクトル / 抗菌処理 |
Research Abstract |
2年度計画に於ける初年度は、はじめに事業所(病院・施設)及び家庭から発生する紙おむつの現況とそれに伴う諸問題について、アンケート調査とヒアリングを実施して詳細に情報を収集する作業を行った。 その調査の結果から、高齢者・乳幼児に拘わらず医療機関から廃棄される紙おむつは、感染性廃棄物として指定業者によってマニフェストに乗っ取って処理されているが、施設や家庭からの廃棄時には一般廃棄物や自治体回収の廃棄物「家庭ゴミ」として廃棄されていることが一般的であることなどがわかった。しかしながら、病院と老人介護施設などが併設してある場合は、発生される紙おむつが「感染性」なのか、「一般ゴミ」なのか明確な区別を怠ったまま、集積され処理されていることなども散見され、処理システムのスタンダード化とともに、発生事業所の分別に対する意識改革と法律や条例に則った行動を啓蒙する必要性が示唆された。 紙おむつは感染性廃棄物及び一般廃棄物として処理される際には、焼却処分されることが一般的であり、燃焼炉への大量投棄は温度低下や燃焼変化を及ぼすことを調査の結果、再認識した。 上記問題点解決のため、本研究プロジェクトでは、紙おむつ使用者の感染症の悪化や免疫低下に伴う予期せぬ二次的害作用を防止する観点と介護者および処理業者などへの感染を防止することを目的として、紙おむつへの新規抗菌剤塗布・練り込み加工処理技術の開発と新規抗菌剤の安全性試験などを前臨床・臨床試験を実施して解析した。 新規抗菌剤は、抗菌スペクトル解析の結果、一般的に紙おむつに発生する多くの微生物・細菌類の繁殖を有効的に抑制することが確認された。さらに、前臨床試験における成績から急性毒性・亜急性毒性に関する基準をクリアしたとともに、皮膚刺激や皮膚炎症系培養細胞試験においても安全性・安定性が評価され「寝たきり」などによる免疫低下に伴う皮膚炎症に対しても問題がないものと評価された。 さらに、焼却時の火力低下防止策として燃焼炉投棄前処理として紙おむつのポリマー架橋重合を開裂する前処理の研究に着手し、これまでに10〜25%の含水物を離脱させることに実験的に成功した。 次年度は、これまでの問題を社会的に整備するシステムづくり、啓蒙活動のマニュアル作製を実施すると共に、実用化にむけた抗菌処理開発と脱水技術の開発に全力を注ぎ、本研究の成果を活用できるようにしたいと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 江口文陽, 大賀祥治, 西薗大実, 熊倉浩靖, 飯塚健, 伊藤隆, 須藤賢一: "感染性処理困難廃棄物「紙おむつ」処理の現況と課題"高崎健康福祉大学紀要. 3. (2003)
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[Publications] 江口文陽, 尾形圭子, 須藤賢一編著, 伊藤隆, 大賀祥治, 熊倉浩靖著: "生活環境論"地人書館. 189 (2003)