2002 Fiscal Year Annual Research Report
障害者・高齢者のための衣服設計を意図した新デザインシステムの開発
Project/Area Number |
14658027
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Research Institution | Heian Jogakuin(St.Agnes')University |
Principal Investigator |
水谷 千代美 平安女学院大学, 生活環境学部, 助教授 (00261058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 敏彦 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70222685)
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Keywords | ドレープ性 / ドレープの形状 / ドレープの発生過程 / ドレープエレベータ / 力学的特性値 / 曲げ剛性 / R-factor / 衣服設計 |
Research Abstract |
最近、CADによる衣服の着装シミュレーションが活発に行われている。障害者・高齢者の衣服は、体型や運動機能性の面で個人差が大きく、供給側では問題を抱えているのが現状である。そこで、我々は障害者・高齢者が意図する衣服設計がコンピュータ上で可能となるシステム開発を考案した。そのためには、障害者・高齢者の体型・身体の動きや衣服のシルエット、フィット性並びに素材布の物性値との関係などの基礎的知見を得る必要がある。 本年度は、まず、布の形状と力学特性との関連を検討することを目的として、衣服の審美性に関連するドレープ性に着目した。ドレープ性は、現在においてもノード数や形態が安定な状態で持続する現象ですら解明されず、ドレープの発生についても不明瞭な点が多い。これらの問題を解決するためには、ドレープの発生する過程や形成機構を把握する必要があり、コンピュータシミュレーションのためにも重要な情報である。そこで、新規なドレープエレベータと称する新規な装置を開発して、ドレープが発生する過程を布の力学的特性値の方向性と関連付けて検討した。また、形状パラメータを定義して、形状変化のちがいを重ねて検討した。その結果、ドレープが発生する過程には、ノードが現れる初期の段階とさらに成長する過程とドレープが完成する三段階であり、ノードが現れるのは、曲げ剛性およびその回復力が小さい布帛のバイアス方向であることが確認できた。ドレープ形状変化の解析を検討するために、その目安として新しくパラメータ、R-factorを定義した。これはドレープ投影図形の凹凸を、投影図形と同じ面積をもつ円の半径からのゆらぎとして表している。ドレープ係数と併用することにより形成過程を正確に記述することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mizutani, Amano, Sakaguchi: "Evaluation of Drape Fundamental Generation Mechanism on Fabries by Using a New Apparatus"The proceedings of International Conference for Inauguration of SOTSEA. 122-124 (2002)
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[Publications] 水谷千代美, 杉田明子: "衣服のシルエットに関連するドレープの形成機構について"平安女学院大学研究年報. 第3号. 91-98 (2002)
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[Publications] Mizutani, Amano, Sakaguchi: "Study on Drape property of Fabrics by Using a New Apparatus"Textile Research Journal. (印刷中).