2003 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデル動物を用いた小豆プロアントシアニジンの生理調節機能の検索
Project/Area Number |
14658034
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 伸 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (40310099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 弘美 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (20315534)
畑井 朝子 函館短期大学, 食物栄養学科, 教授 (60002557)
堀 友花 函館短期大学, 食物栄養学科, 講師 (60331211)
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Keywords | 糖尿病 / 小豆 / プロアントシアニジン / ポリフェノール類 / 抗酸化物質 / 腎臓 / ストレプトゾトシン / 疾患モデル動物 |
Research Abstract |
平成14年度に行った「シスプラチン誘発腎障害ラットにおける小豆種皮投与効果に関する研究」の研究成果を日本家政学会第55回大会及び第30回日本トキシコロジー学会学術年会にて発表した。 平成15年度では、小豆プロアントシアニジン(PA)の生理調節機能を明らかにするために、ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病ラットにPAを多く含む小豆種皮を投与し、糖尿病の合併症の1つである糖尿病性腎症に対する影響を調べた。 Wistar系ラット(雄性、6週齢)を対照群、STZ投与ラット+通常食群、STZ投与ラット+0.1%及び1.0%小豆種皮食群の4群に分け、10週間飼育した。屠殺後、血液生化学検査、組織学的及び免疫組織化学的検査を行った。 その結果、STZ投与ラットの血糖値は、対照群に比べていずれも高値を示したが、小豆種皮食群と通常食群の間では差は認められなかった。また小豆種皮食群の血中総コレステロールやトリグリセリド値は、通常食群に比べて有意に低値であった。腎障害の指標である血中尿素窒素値は、通常食群では対照群に比べて上昇したが、小豆種皮食群では通常食群に比べて減少した。次に、腎組織像を調べた結果、糖尿病ラットでは糸球体のメサンジウム細胞領域の拡大が認められた。また、尿細管上皮の一部に極めて淡明な部域がみられ、グリコーゲン沈着の関与が考えられた。一方、1.0%小豆種皮食群では障害の程度は軽減していた。また、糖尿病性腎症の進行に関与するED1陽性マクロファージの糸球体への浸潤数は、通常食群に比べて小豆種皮食群で有意に低値であった。間質においても小豆種皮食群のED1陽性細胞数は少なかった。以上の結果から、PAを多く含む小豆種皮は、糖尿病にともなう血中脂質成分の増加抑制や腎障害の進行に関与するマクロファージの浸潤を抑制する可能性が示唆された。
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