2004 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデル動物を用いた小豆プロアントシアニジンの生理調節機能の検索
Project/Area Number |
14658034
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 伸 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (40310099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 友花 函館短期大学, 食物栄養学科, 講師 (60331211)
畑井 朝子 函館短期大学, 食物栄養学科, 教授 (60002557)
井澤 弘美 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (20315534)
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Keywords | 小豆 / 抗酸化物質 / ポリフェノール類 / プロアントシアニジン / 肝臓 / 繊維化 / アセトアミン / 疾患モデル動物 |
Research Abstract |
平成15年度の研究成果を日本家政学会第56回大会(京都市)及び日本健康科学学会第20回学術大会(青森市)にて発表した。また国際学術雑誌で本研究の成果が受理された(印刷中)。平成16年度では、小豆ポリフェノール(PP)の生理調節機能を明らかにするために、アセトアミド(TA)誘発肝硬変ラットに小豆煮汁凍結乾燥粉末(PP量:250mg/g粉末)含有飼料を投与し、肝臓の線維化に対する影響を調べた。 肝硬変モデルはWistar系ラット(雄性、4週齢)に0.03%(w/v)TA水溶液を飲水として与えて作製した。対照群、肝硬変ラット+通常食群(標準動物飼料)、肝硬変ラット+0.1%、1.0%小豆煮汁凍結乾燥粉末含有飼料(小豆PP食)群の4群に分けた。投与5あるいは10週後に屠殺し、肝臓を採取した。HE染色及びコラーゲンを特異的に染めるシリウスレッド染色を施し、病理組織学的検査を行った。また、パラフィン切片からシリウスレッドを抽出し比色定量し、コラーゲン量の指標とした。投与期間中の体重および摂食量は通常食群に比べて1.0%小豆PP食群でやや増加抑制がみられた。TA投与後5及び10週では肝重量は、対照群に比べて肝硬変群で低下したが、小豆PP食群と通常食群の間では差は認められなかった。肝臓の組織像を調べた結果、通常食を投与した肝硬変ラットでは、投与後10週に線維束によって分断される偽小葉が散見され、進行性の肝線維化の特徴的な組織像が観察された。しかし、小豆PP食群では障害の程度の軽減は認められなかった。またコラーゲン量については通常食群に比べて小豆PP食群で有意な差は認められなかった。 以上の結果から、小豆煮汁凍結乾燥粉末は線維化の進行の軽減あるいは遅延には効果がない可能性が示唆された。今後、線維化に関連するサイトカインの発現やマクロファージ等の炎症細胞の挙動などについて研究を行う予定である。
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Research Products
(3 results)