2002 Fiscal Year Annual Research Report
理科・数学教師の実践知組み込み型ルーブリックの開発と教育実践研究方法論の確立
Project/Area Number |
14658048
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10219321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 裕介 長崎大学, 教育学部, 講師 (20314891)
片平 克弘 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70214327)
佐古 秀一 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (30153969)
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Keywords | パフォーマンステスト / 評価 / ルーブリック / 教育実践 / 実践知 / パートナーシップ / PDS |
Research Abstract |
1)評価に関する教師の実践知のための基礎的研究:中学校数学を題材として,米国ニューヨーク州で開発されたルーブリックが,教師の評価活動に与える影響の調査を行った。5名の中学校教師に対して調査を行ったところ,(1)ルーブリックを参照しながら評価する場合,教師にとっては複雑な評価活動となること,(2)しかし,ルーブリックがない場合と比較すると,評価プロセスが減点志向から加点志向へと変化し,実際の評価結果の得点も向上すること,(3)また,得点の分布を見ると,2点,3点などの中間得点が加点傾向にあり,ルーブリックも中間得点の基準が十分に記述されていること,が示された。 2)SCSを用いた遠隔共同ルーブリック開発:平成14年10月から平成15年2月にかけ,鳴門教育大学と上越教育大学をSCSで結び,双方の現職教員が生徒作品を共有しつつ,相互にやりとりをしながらルーブリックを開発する講義を実施した(鳴門教育大学:教官3名,現職教員大学院生9名,上越教育大学:教官1名,現職教員大学院生1名)。講義は15回実施し,うち10回程度を共同で実施した。ルーブリックを開発する過程において評価結果を集約することができずに行き詰まる局面が多く観察されるとともに,評価基準の設定は,かなりの程度のばらつきが見られることが示された。 3)教育実践研究方法論:教育研究と教育実践が乖離している現状を克服すべく,鳴門市内でコンピュータの教育利用について継続している「鳴門市教育用コンピュータ活用推進協議会」での学校-教育委員会-大学の連携(パートナーシップ)の構築過程をモデル化し,関係構築の方法論を総括した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 益子典文: "科学教育における教師の実践知を組み込んだルーブリック開発に関する基礎的研究"鳴門教育大学研究紀要(教育科学編). Vol.18. 59-66 (2003)
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[Publications] 益子典文他4名: "地域における学校-教育委員会-大学の連携開発方法論に関する一考察"科学教育研究. Vol.27,No.1. 43-51 (2003)
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[Publications] 佐古秀一: "現職教育における学校経営研究-開発的研究の視点から-"日本教育経営学会紀要. Vol.44. 178-184 (2002)
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[Publications] 佐古秀一他7名: "省察と協働を支援する学校改善プログラムの開発的研究(2)-プログラムの構成と実施手順-"鳴門教育大学研究紀要(教育科学編). Vol.18. 31-39 (2003)
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[Publications] 片平克弘, 尾崎浩巳他: "変わる理科教育の基礎と展望"東洋館. 198 (2002)