2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトゲノム時代における科学教育のあり方とその具体化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14658071
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橋本 健夫 長崎大学, 教育学部, 教授 (00112368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 泉 筑波大学, 教育学系, 教授 (70176907)
近藤 達郎 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (40304935)
堀井 健一 長崎大学, 教育学部, 助教授 (20190233)
戸北 凱惟 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (20018659)
川上 昭吾 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10033896)
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Keywords | 科学教育 / ヒトゲノム / 遺伝子工学 / 倫理学 / 学校教育 / 理科教育 |
Research Abstract |
近年、自然科学が急速に発達し、その応用的な技術が社会や市民の生活に非常に大きな影響を与え始めている。特に、遺伝子操作やゲノム分析等を駆使する技術は産業面のみならず、医療面での活用が広がり、市民生活の改善に役立てられている。しかし、それらの技術がもたらす功罪については、十分な解析がなされたとは言い難く、様々な形での議論が続いている。 これら自然科学の進歩をどのような形で社会に還元すべきかは、これからの社会では常に求められる判断でもある。このためには科学の進歩に関する知識が一般市民に一定レベル以上獲得されなければならない。この視点から言うならば、自然科学の進歩を見据えた学校教育のあり方についての検討が幅広く継続的に行われる必要がある。 そこで、本研究では、「遺伝子」に焦点を当て、ゲノム分析や遺伝子操作等を学校教育、特に科学教育の中に組み込むべきかを追究したいと考えた。本年度はその基礎的な調査段階と位置づけ、現行の理科学習の小学校から高等学校までの順序性と広がりを改めて調査した。この結果を歴史学や倫理学等を専門とする研究分担者と共有するために学習会を開き、課題の抽出に務めた。さらに、小学校レベルではどの程度の内容が学習可能なのかを探るために、小学校6年生を対象として「クローン人間」を学習材とした授業を行った。この実践の分析はまだ十分に行っていないが興味・関心の喚起や生活への技術の応用等についての児童レベルでの思考の喚起などは行えるのではないかとの感触を得た。今後は、これらの成果とより多くの実践を通して、目標にせまりたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 橋本健夫: "学習の総合化は理科学習を深化させるか"日本理科教育学会第52回全国大会論文集. 52. 83-84 (2002)
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[Publications] 橋本健夫: "総合的な学習の実践から考える理科の役割"日本科学教育学会年会論文集. 26. 291-292 (2002)
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[Publications] 堀井健一: "遺伝子問題の要点と遺伝子教育の必要性について"長崎大学教育学部教育実践総合センター紀要. 2. 1-6 (2003)
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[Publications] 橋本健夫: "教科学習と総合的な学習に関する一考察"長崎大学教育学部紀要-教科教育学-. 40号. 15-29 (2003)