2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14658132
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮永 憲明 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (80135756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿本 孝治 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (90270579)
阪部 周二 京都大学, 化学研究所, 教授 (50153903)
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Keywords | 超短パルスレーザー / プラズマ / 非線形光学 / コヒーレント相互作用 / 軸対称偏光 / 液晶素子 / 高調波 / 縦電場 |
Research Abstract |
超短パルスレーザーとプラズマの非線形相互作用は集光スポット近傍での位相分布と偏光分布に依存する。本年度は,空間的位相・偏光制御素子の改良と超短パルスレーザー光の分散補償伝搬に関して、以下の研究を行った。 軸対称偏光制御板:昨年度開発した液晶の旋光性を利用した偏光制御素子では、ネマティック液晶分子の最大螺旋回転角度が90度に限られていたため、レーザービーム断面の半分に半波長位相シフターをコートする必要があり、この位相シフターの境界線からの回折光が問題であった。今年度はアゾ系色素の光異性化反応を利用した液晶分子の配向制御を適用した。液晶分子に対するアンカーリング力が強くかつ液晶セルガラス基板に対する付着力が強い色素材料を見つけることができ、光書き込みによる高精度軸対称偏光制御版の製作が可能となった。 超短パルスレーザー光の分散補償伝搬:従来のレーザー光とプラズマの非線形相互作用では相互作用長が集光スポットのレーリー長で制限されていた。この問題を打開し微小集光スポットを長距離にわたって伝搬させかつプラズマ中での群速度分散を避けるために、ベッセルXパルスの応用を開始した。長尺集光にはリング構造の回折光学素子(レンザコン)を利用し、レンザコンが有する群速度分散が媒質のそれを補償するようにリング構造を設計した。先ず液晶空間変調器を用いてベッセルビーム発生の基本特性を評価し、次いで上記の光書き込み液晶素子を用いてレンザコンを作製し、レーザービーム伝搬特性が理論予測とほぼ一致することを確認した。 今後、軸対称偏光制御板とレンザコンを用いて、レーザー光とプラズマの非線形相互作用実験を継続し、相対論的電子による非線形光学の知見を深める計画である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] G.Miyaji, N.Miyanaga, K.Ohbayashi, K.Sueda, K.Tsubakimoto: "Observation of intense longitudinal electric field generated from radially polarized laser beam"Topic Digest of Conference on Lasers and Electro Optics (CLEO), 2003. CFH3 (2003)
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[Publications] G.Miyaji, N.Miyanaga, K.Tsubakimoto, K.Sueda, K.Ohbayashi: "Intense longitudinal electric field generated from transverse electromagnetic wave"Applied Physics Letters. 83(未定). (2004)
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[Publications] 宮地悟代, 大林 研, 末田敬一, 椿本孝治, 宮永憲明: "軸対称偏光ベクトルレーザービームの発生"レーザー研究. 32・4(未定). (2004)