2003 Fiscal Year Annual Research Report
多重量子井戸構造を利用した新規高性能シンチレーター材料の開発
Project/Area Number |
14658144
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 圭介 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60231859)
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Keywords | 多重量子井戸構造 / シンチレータ / 量子閉じ込め |
Research Abstract |
高速シンチレータを用いた放射線検出装置は、物理測定のみならず、医療分野における大きな需要も見込まれ、開発競争が激化している。本研究では、従来の、発光中心を用いたシンチレータではなく、量子閉じ込め構造を利用したシンチレータの開発を行っている。特に、自然量子井戸構造を形成する物質を対象とし、シンチレーション特性の解析を行うと同時に、シンチレータとして利用する場合の最適な材料形態の模索も並行して行っている。 自己組織化によって量子井戸構造を形成する、有機無機ペロブスカイト型化合物の発光時間プロファイルを、電子線ライナックを用いて測定した。測定系に真空チェンバーを導入したことにより、その中で試料を照射することにより、空気中を電子線が通過した際に放出されるチェレンコフ光の影響を除去したプロファイルの測定が可能となった。フェムト秒ストリークカメラを用いた発光プロファイルの測定では、数十psという非常に高速な発光寿命が観測された。また、光電子増倍管を用いて、より長い時間スケールでの発光時間プロファイルを測定した結果、長くても数nsの成分が存在するものの、それ以上の長寿命成分は存在しないことが明らかとなった。 また、当該物質をペレットにした試料に、陽電子線源を用いて消滅γ線を用いて、γ線エネルギースペクトルの測定を試みた。しかし、511keVに対応する光電ピークは観測されなかった。これは、シンチレーション波長が、当該物質の吸収ピークの裾にあたるため、自己吸収によって、ペレット内部での発光が外部に出てこなかったこと、あるいは、当該物質の密度が比較的小さいこと、等の原因が考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Koshimizu: "Measurement of the Local Temperature in an Ion Track Using Low-Dimensional Quantum Confinement Structure"Radiation Physics and Chemistry. 66. 35-38 (2003)
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[Publications] M.Koshimizu: "Observation of Local Heating in an Ion Track by Measuring the Ion-Induced Luminescence Spectrum"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 206. 57-60 (2003)
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[Publications] M.Koshimizu: "Time-resolved luminescence spectra of electron-hole plasma in ion-irradiated CdS"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 212. 376-380 (2003)