2003 Fiscal Year Annual Research Report
触媒塗布アンテナが集光するマイクロ波を用いた環境汚染物質等の化学分解
Project/Area Number |
14658177
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山口 作太郎 中部大学, 工学部, 教授 (10249964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅野 正義 中部大学, 工学部, 教授 (90023077)
二宮 善彦 中部大学, 工学部, 教授 (10164633)
今枝 健一 中部大学, 工学部, 教授 (60314085)
藤原 修 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60135316)
馬場 清英 中部大学, 工学部, 教授 (50208708)
|
Keywords | マイクロ波 / 化学反応 / 難分解性化学物質 / アンテナ / 触媒 |
Research Abstract |
1)重油ボイラーからの排煙中に含まれるParticle Material(PM)をフィルターに取り込み、それをマイクロ波るつぼの中にいれて約500℃まで加熱した。加熱には6分間程度であったが、ほぼ完全にPMは消滅した。同様な処理は電気炉を用いると、約600℃に加熱して70分間程度保つことによって達成できた。現在、解析中ではあるが、マイクロ波によって直接PMが加熱され、るつぼ温度よりマイクロ波によって選択加熱PMの方がはるかに高かったと考えている。 2)難分解性の環境汚染物質の分解処理を気中反応するために、触媒としての銅粒子及び粉末を円柱状のガラス容器に入れて、それを電子レンジ内に設置し、マイクロ波を照射することによって安定して銅粒子間の放電が生じるような装置を開発した。これは、内部の反応前ガスと反応後ガスをガスクロマトグラフに直接導くように設計されていて、これから各種ガス及びPCB等の環境汚染物質の分解処理実験を行う予定である。 3)たんぱく質の構成分子であるアミノ酸は典型的な光学異性体であり、D体とL体が存在する。これらの物質を用いて、右回転と左回転のマイクロ波を照射したときの吸収特性を測定した。実験は2Ghzから3GHzまでの範囲で放射・受信特性がフラットなヘリカル・アンテナ開発し、名古屋工大の電波暗室を利用して実験を行った。実験を行う前に、は、各種アミノ酸に対して計算化学によって回転等のエネルギー準位(振動数として得られる)を求め、それと共鳴するマイクロ波周波数の電磁波を打ち込んで吸収測定を行った。実験では、アミノ酸を各種溶媒に溶かして、濃度を変えたデータを収集した。現在、データ解析中であるが、実験の最終的な目的は、不斉合成を行うことである。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 山口作太郎 他 5名: "触媒材料アンテナを用いたマイクロ波による化学反応制御"総合工学(中部大学). 15. 41-49 (2003)
-
[Publications] 今枝健一, 竹内厚生, 山口作太郎: "アンテナ電極を用いたマイクロ波によるクロロベンゼン化合物の分解"総合工学(中部大学). 15. 33-40 (2003)
-
[Publications] 今枝健一, 竹内厚生, 山口作太郎: "銅粉末を用いたマイクロ波による環境汚染物質の分解"総合工学(中部大学). 16. 99-104 (2004)
-
[Publications] 馬場清英, 山口作太郎, 今枝健一: "触媒材料ワイヤアンテナ近傍のマイクロ波電磁界分布の解析"総合工学(中部大学). 16. 105-112 (2004)
-
[Publications] 糸見義雄, 今枝健一, 梅野正義, 山口作太郎, 池田哲夫: "化学物質のマイクロ波複素誘電率"総合工学(中部大学). 16. 113-124 (2004)