2003 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナにおけるバイオケミカルパニングとメタボロミクス
Project/Area Number |
14658183
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 和季 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00146705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野路 征昭 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80271534)
山崎 真巳 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (70222370)
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Keywords | メタボロミクス / シロイヌナズナ / 植物代謝産物 / マンノース |
Research Abstract |
代謝物の蓄積を直接制御する未知遺伝子の解明と代謝-遺伝子発現のネットワーク解明を目的として、シロイヌナズナのアクティベーションタグラインから代謝物過剰蓄積変異体の単離をおこなった。このために、(1)各種HPLC,キャピラリー電気泳動などにより、直接、代謝物蓄積量を測定する方法、(2)代謝物の過剰蓄積により各種生育阻害物質に対する耐性が得られることを利用した方法、によるスクリーニングをおこなった。アクティベーションタグラインにはカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター由来のエンハンサー配列を4つ有するT-DNAがランダムに挿入されている。これらの変異体ラインでは代謝経路の酵素遺伝子又はその制御機構、すなわち生合成信号伝達や転写制御などに関わる遺伝子が活性化されていることが予想される。植物の生育に障害を起こす生育阻害物質が複数知られており、特定代謝物め蓄積増加によりそれぞれの阻害物質に対する耐性が向上することが報告されている。そこで、生育阻害物質として、カドミウム、エチオニン、セレン酸、マシノース、4-メチルトリプトファン、セレノシスチシ、メチオニンスルホキシイミンを用いてスクリーニングを行った。1次スクリーニングでは、約3000〜8000ラインのシロイヌナズナアクティベーションタグライン(T2世代)をそれぞれの阻害物質を含む培地に播種し、耐性を得ていると判断される個体を選抜した。得られた候補株のT3種子を用いて2次スクリーニングを行った結果、マンノース耐性を示すラインが複数得られた。このうちの1ラインでは機能未知のABCトランスポーター遺伝子が高発現しており、植物体内のグルコースとマンノース濃度比の変化が認められた。
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