2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14658186
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小鹿 一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50152492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 正 海洋科学技術センター, 海洋生態環境研究部, 部長(研究職)
大場 裕一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40332704)
吉国 通庸 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (50210662)
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Keywords | シャコ貝 / 渦鞭毛藻 / 共生 |
Research Abstract |
沖縄産シャコ貝(ヒメジャコ、Tridacna crocea)の外套膜に共生する渦鞭毛藻(Symbiodinium属)の種類を明らかにするために、まず株化された渦鞭毛藻を用いて分子系統解析法の確立を行なった。藻体よりゲノムDNAを抽出後、5.8SrRNAのITS領域および18SrRNAのV1領域をPCRにより増幅し、ダイレクト・シークエンス法により配列を決定した。続いて、分子系統解析ソフトPhylipを使用して、近隣接合法(NJ)により渦鞭毛藻の系統関係を解析した。その結果、これまで未知であった株の系統が明かとなった。 この方法を用いて、つぎに実際のシャコ貝にどのような種類の渦鞭毛藻が共生しているのかを調べた。これまで、シャコ貝には複数種の渦鞭毛藻が共生していることはわかっていたが、どのような種がどのくらいの割合で共生しているのかは不明であった。そこで、ヒメジャコの外套膜より取り出した藻体を用いてDNAを抽出し、PCRを行なった。続いて、このPCR産物をプラスミドベクターに組み込み、大腸菌にトランスフォーメーションした。現在は、得られてきたコロニーに対しコロニーPCRを行ない、ひとつひとつのコロニーがどの種類の渦鞭毛藻に由来したDNAを持っているかを制限酵素とシークエンスを併用して決定する方法を確立している。 また、渦鞭毛藻の系統に対応して興味深い低分子化合物がさまざま産生されていることが明らかになってきた。その中には、新規化合物であるzooxanthellamide類やzooxanthellactoneなども含まれる。これらの化合物が共生過鞭毛藻に特異的であることから、何らかの共生現象に関わっている可能性が期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小野寺 健一: "Zooxanthellamide A, a novel polyhydroxy metabolite from a marine dinoflagellate of Symbiodinium sp."Tetrahedron. 59. 1067-1071 (2003)
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[Publications] 小野寺 健一: "Zooxanthellamide B, a novel large polyhydroxy metabolite from a marine dinoflagellate of Symbiodinium sp."Biosci.Biotechnol.Biochem.. (in press). (2004)
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[Publications] 小野寺 健一: "Zooxanthellactone, a novel γ-lactone-type oxylipine from dinoflagellates of Symbiodinium sp. : structure, distribution, and biological activity."Biosci.Biotechnol.Biochem.. (in press).