2003 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光マイクロビーズアレイを用いたレクチン糖結合特異性の網羅的解析
Project/Area Number |
14658191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 一夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20174782)
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Keywords | レクチン / 糖結合特異性 / 蛍光マイクロビーズ / アレイテクノロジー |
Research Abstract |
16種類の蛍光マイクロビーズに、それぞれ異なる精製糖ペプチドを固相化した。固相化した糖ペプチドは、糖タンパク質であるチログロブリン、卵白アルブミン、ウシ顎下腺ムチン、ブタ顎下腺ムチンから、それぞれプロナーゼ消化、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、レクチンアフィニティクロマトグラフィーにより精製し、MALDI-TOF MSの質量分析等により、構造解析を行った。これらの標品の中から、N-結合型糖鎖の高マンノース型、複合型、個運勢型糖鎖を、また0-結合型糖鎖の典型的なもの2つを合わせ、蛍光マイクロビーズに水溶性カルボジイミドを用いて共有結合させた。これらの糖ペプチドを付加した蛍光マイクロビーズと、28種類のレクチン、ならびに細胞内品質管理に関与しているERGIC-53,VIP36との結合を、サイトフローメトリーで解析した。28種類の植物由来レクチンに関しては、非特異的な吸着の大きなものからほとんど無いものまでさまざまであり、コントロールをどのように選択するかが問題であった。非特異的結合は主に疎水的なものであり、BSAのようなものは必ずしも適切ではなかった。一方、ERGIC-53,VIP36との結合実験では、pH依存的な影響を見た。ERGIC-53では、pH依存的な結合の増減は観察されなかったが、VIP36ではBIAcoreを用いた表面プラズモン共鳴で観察されていた結果と同様に、pH依存的な結合の強弱も観察することができた。ビーズアレイはさまざまな糖鎖に対する親和性の相対的な違いを定量化することを目的としているが、絶対的な結合力もそのシグナル強度から見積もることが可能であり、定性的、かつ定量的な解析が可能であった。汎用性という点で、糖アルコールやオリゴ糖の固相化条件も検討したが、リガンドの密度を揃えることが大切であり、予めビオチン化したリガンドを調製し、これらをアビジン標識した蛍光ビーズにカップリングすることが良いと思われた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Mitsuki: "A species-specific determinant on b2-microglobulin required for Ly49A recognition of its MHC class I ligand."Int.Immunol.. 16・2. 197-204 (2004)
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[Publications] H.wada: "The inhibitory NK cell receptor CD94/NKG2A and the activating receptor CD94/NKG2C bind the top of HLA-E through mostly shared but partly distinct sets of HLA-E residues."Eur.J., Immunol.. 34. 81-90 (2004)
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[Publications] K.Tajima: "Augmentation of NK cell-mediated cytotoxicity to tumor cells by inhibitory NK cell receptor blockers"Int.Immunol.. 16・3. 385-393 (2004)
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[Publications] K.Yamamoto: "細胞内輸送・選別における糖鎖認識プロセス"生化学. 76・3(in press). (2004)