2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14658194
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 丹 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40114855)
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Keywords | RNA / リボザイム / in vitroセレクション / リガーゼ / P4-P6 RNA / 分子デザイン / 立体構造 / 触媒部位 |
Research Abstract |
1,RNAナノ構造体の創製2,RNA-タンパク質ハイブリッド構造体の創製3,RNAナノ構造体の人工的構築および4,RNA構造体上での分子認識ユニットの構築に四分された、それぞれのテーマについて成果を挙げることができた。 1、3本のRNAヘリックスを束ねて作られる人工の立体構造をもつRNAのデザインを、コンピュータープログラムを用いて、天然のRNA-RNA相互作用の一つであるGNRAとそのレセプター11ntRおよびtriple-helical scaffoldと呼ばれる特殊な構造ユニットを導入することにより行った。デザインされたRNAの構築を試み、これがデザイン通りの立体構造を持つものであることを確認した(Structure, vol10,527-534(2002))。 2、単分子RNAからRNA・タンパク質複合体のリボザイムとして機能するように、複合体を構成するRNAとタンパク質をそれぞれ新たにデザインし、実際に作成することに成功した。この結果は、単分子RNAからRNA・タンパク質複合体リボザイムへと分子進化をすることは、その活性の向上にメリットがあることを示している(Nucleic Acids Research, vol 31,1488-1496(2003))。また、既存のRNA・タンパク質複合体を用いて、さまざまな新しい人工的な特異的なRNA・タンパク質相互作用をつくりだすことに成功した(Nucleic Acids Research, vol 31,661-669(2003))。 3、グループIイントロン・リボザイムの基本骨格を構成する構造ユニットを除去し、機能的にこれを相補する構造ユニットをin vitroセレクション法により新たに構築することに成功した(Nucleic Acids Research, vol 30,3473-3480(2002))。 4、「天然のP4-P6 RNAの分子骨格をもつ新しいリボザイム」の作成をおこなった。in vitroセレクションの条件を設定し、RNAリガーゼ活性を有するRNAの検知、濃縮に有効な条件を設定した。転写したRNAからのセレクションを、条件を調整・選択し、くり返し行い活性のあるRNAを濃縮した。濃縮されたRNAを単離精製し、それに含まれる分子認識ユニットである触媒部位の塩基配列を決定した。また、デザインした通りに選択された分子認識ユニットの働きにより、RNA ligation反応が進行することをあきらかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimizu, T., Shiraishi, H., Inoue, T.: "Cloning and characterization of novel extensin-like cDNAs that are expressed during late somatic cell phase in the green alga Volvox carteri"Gene. 284. 179-187 (2002)
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[Publications] Oe, Y., Ikawa, Y., Shiraishi, H., Inoue, T.: "Relationship between the Self-Splicing Activity and the Solidity of the Master Domain of the Terahymena Group I Ribozyme"Biochem Biophys Res Commun. 291. 1225-1231 (2002)
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[Publications] Ikawa, Y., Fukada, K., Watanabe, S., Shiraishi, H., Inoue, t.: "Design, Construction, and Analysis of a Novel Class of Self-Folding RNA"Structure. Vol.10. 527-534 (2002)
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[Publications] Kitamura, A., Muto, Y., Watanabe, S., Kim, I., Ito, T., Nishiya, Y., Sakamoto, T., Otsuki, T., Kawai, G., Watanabe, K., Hosono, K., Takaku, H., Katoh, E., Yamazaki, T., Inoue, T., Yokoyama, S.: "Solution structure of an RNA fragment with the P7/P9.0 region and the 3' -terminal guanosine of the Tetrahymena group I intron"RNA. Vol.8, Number.4. 440-451 (2002)
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[Publications] Aono, N., Shimizu, T., Inoue, T., Shiraishi, H.: "Palindromic repetitive elements in the mitochondrial genome of Volvox1"FEBS Lett. 521. 95-99 (2002)
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[Publications] Ohuchi, S., Ikawa, Y., Shiraishi, H., Inoue, T.: "Modular engineering of a Group I intron ribozyme"Nucleic Acids Res. Vol.30, No.15. 3473-3480 (2002)