2002 Fiscal Year Annual Research Report
3次元蛍光共鳴エネルギー移動法による細胞内タンパク質間相互作用の解析
Project/Area Number |
14658229
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
武藤 吉徳 岐阜大学, 医学部, 助教授 (80190859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 幸雄 岐阜大学, 医学部, 教授 (10177066)
木村 正志 岐阜大学, 医学部, 助手 (40260575)
|
Keywords | FRET / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 3次元立体像 / 遺伝子導入 / GFP / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
3次元空間での蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の測定を可能とするために,蛍光顕微鏡にフォーカス駆動装置とフィルター切替装置を新たに装着した。そして,それらを制御するためのコンピュータプログラムを作成し,DonorとAcceptor画像を交互に取得しながら,細胞のZ軸方向の各断面での蛍光画像を解析するシステムを構築した。このシステムを用いることにより,細胞内の立体空間でのFRETを検出することが可能となった(3D-FRETシステム)。次に,本システムを用いて,実際のタンパク質間相互作用の測定を行った。対象としたタンパク質は,ステロイド受容体スーパーファミリーの1つであるRXRと,我々が新たに見いだしたユビキチン付加酵素と相互作用するRNF8である。これらRXRとRNF8の結合については,既に酵母のツーハイブリッド法によって予測がなされていたが,生きた細胞内での相互作用については全く不明であった。そこで,これらのタンパク質と蛍光タンパク質であるBFP及びGFPの融合遺伝子(BFP-RNF8,GFP-RXR)を作成し,培養細胞にリポフェクション法によって遺伝子導入した。発現した融合遺伝子は,いずれも核内に局在した。両タンパク質が同程度の発現量の細胞を選び,我々が構築したシステムを用いてBFPからGFPへのFRETを測定したところ,核内で強いFRET効率を示すことが明らかとなった。こうした結果は,今回の研究で構築した3P-FRETシステムの有効性を示している。現在,細胞のZ軸方向の各断面について得られたFRET画像の3次元構築についての作業を進めている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kato, M. et al.: "Effects of Bacteroides Phosphoshingolipids on Murine Neutrophils"Anaerobe. 8(1). 23-28 (2002)
-
[Publications] Muto, Y. et al.: "Inhibition of mitochondrial respiration by climacostol"Jpn.J.Protozool.. 36(1). 25-26 (2003)