2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路網形成への新規モデル動物プラナリアとマウスを用いたアプローチ
Project/Area Number |
14658230
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武内 恒成 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (90206946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿形 清和 理化学研究所, 発生再生研究センター, グループリーダー (70167831)
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Keywords | 神経回路網 / 細胞接着分子 / アンチセンス / RNAi |
Research Abstract |
哺乳類・マウスにおいて神経回路網形成に重要な役割を果たす、神経特異的免疫グロブリンスーパーファミリー接着分子群の機能解析を最終目的として、最も原始的な脳を持つプラナリアからもその先祖型分子群を単離、機能解析とともにその分子の進化的側面も解析を進めた。マウスにおいて免疫グロブリンスーパーファミリー接着分子のうち、TAG-1・NCAMなどの分子の解析を進めるとともにプラナリアからもそれら分子のプラナリアホモログを単離し、脳形成過程での発現解析を行った。脳神経回路形成時にはNCAMおよびDSCAMホモログが初期から発現し形成に関与し、TAG-1ホモログは末梢神経系に主な発現し機能していること、これは哺乳動物の発現パターンとほぼ同じことが解った。また、免疫グロブリンドメインがプラナリアから哺乳類までどのように形成されてきたか、分子の成り立ちを推測できるようになった。これらの分子の機能阻害を行う目的で、まずプラナリアにおけるRNAiを抗体もそろっているシナプトタグミンなどで開始した。その電子顕微鏡観察などによるプラナリア神経形成における機能解析を進めた。その過程でプラナリアにもシナプス様構造があること、この構造体の変化を観察することができた。この系で確立した分子抑制系で上記、接着分子群の機能解析を開始した。さらに哺乳類でこれら神経接着分子やシナプス機能分子の局在や機能を制御しているアクチン骨格系分子の機能解析をマウス・プラナリアを併用して開始した、哺乳動物でコフィリンのアンチセンスオリゴ発現抑制に成功し、この分子のプラナリアホモログの機能抑制も進めつつある。さらに、マウスから新規細胞極性決定分子の単離に成功し、プラナリアでのこれらホモログの検索を行い、骨格系及び細胞極性決定分子のホモログもそろえた。これらの成果を踏まえ、今後発現抑制による機能解析を最も原始的および基本形のプラナリア脳で進めることができるようになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] R.Adachi, K.Takeuchi, K.Suzuki: "Antisense oligonucleotide to coffilin enhances respiratory burst and phagocytosis in opsonized zymosan-stimulated mouse macrophage J774.1 cells"The Journal of Biological Chemistry. Vol.277 No.47. 45566-45571 (2002)
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[Publications] M.Kohjima, Y.Noda, R.Takeya, N.Saito, K.Takeuchi, H.Sumimoto: "PAR3B, a novel homologue of the cell polarity protein PAR3,localizes to tight junction"Biochemical and Biophysical Research Communications. Vol.299. 641-646 (2002)
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[Publications] M.Horie, K.Sango, K.Takeuchi, et al.: "Subpial neuronal migration in the fetal rat medulla oblongata with Pax-6 deficiency"Europian Journal of Neuroscience. Vol.17 No.1. 49-57 (2003)