2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14658237
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
帯刀 益夫 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10099971)
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Keywords | 幹細胞 / 間質細胞 / 分化転換 / 可塑性 |
Research Abstract |
クローン化された間質細胞株依存的に増殖する造血幹細胞株を樹立するため、造血環境を構成する多様な間質細胞との直接的な細胞間相互作用を介して造血幹細胞が維持されるDexter型の長期骨髄培養(LTBC)をスタートとして培養を行い、クローン化した間質細胞株依存的に増殖する未分化血球細胞の培養系(DFC28)を確立した。DFC-28は、MSS62依存的にLineage-c-Kit+Sca-1low/-という表面マーカーを示す未分化な細胞として維持され、その増殖にはc-Kitとa4b1-integrin (VLA-4)のシグナルが必須であった。DFC-28はMss62との共培養下でIL-7により増殖が顕著に亢進し、BP-1+へと分化していた。一方、IL-7を産生する別の間質細胞株TBR-31-1へ移し共培養すると、BP-1+c-Kit-Sca-1+へ変化し、Pax-5,TdT, Rag-1遺伝子の発現も活性化し、初期のpro-B cell段階へ分化した。この分化は、MSS62との共培養下にIL-7+TBR31-1の培養上清(10%)添加でも誘導されなかったことから、TBR31-1との直接的な接着を介したシグナルが引き金となると示唆された。さらにTBR31-1と共培養したDFC-28を再びMSS62へ戻したところ、分化前のphenotypeに戻ることが分かり、DFC-28は、間質細胞株の選択的支持機能に依存して、その分化の過程が可逆的に制御されることを実験的に示した。この間、PKH-67で蛍光標識して調べた細胞の分裂はわずかであり、この分化能の変化は、全細胞集団がいっせいに分化転換していることが分かった。今後、この分化転換の制御機構を解析する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Araki Y, Suzuki K, Matusik RJ, Obinata M, Orgebin-Crist MC: "Immortalized Epididymal Cell Lines From Transgenic Mice Overexpressing Temperature-Sensitive Simian Virus 40 Large T-Antigen Gene"J Androl.. 23. 854-869 (2002)
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[Publications] Okubo T, Yanai N, Ikawa S, Obinata M: "Reversible switching of expression of c-kit and Pax-5 in immature hemato poietic progenitor cells by stromal cells"Exp Hematol.. 30. 1193-1201 (2002)