2004 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物リバースジェネティクス法を用いたてんかんの候補遺伝子の同定
Project/Area Number |
14658263
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
廣瀬 伸一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60248515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 亮 福岡大学, 薬学部, 助手 (80122696)
満留 昭久 福岡大学, 医学部, 教授 (30038749)
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Keywords | チャネル / 受容体 / トランスジェニックマウス / 実験動物 |
Research Abstract |
ラットnAChRのα4サブユニット遺伝子Chrna4のcDNAをPCRクローニング法により調整した。続いてヒトのSer284Leu変異の相同変異であるSer284Leu(c.856T> C : c.857C>T)変異をラットChrna4のcDNA (L31620)に導入した。 既報のとおり、変異cDNAを用いて、変異ラットnAChRの電気的特性を野生型のそれと比較し、変異α4サブユニットを持つnAChRは野生型のそれに比べ、desensitizationがより急峻になることを確認した。 作成した変異cDNAをPDGFプロモーターを持つベクターに移入した後、定法どおりラット受精卵に顕微注入した。仮親の卵管内への移植により、組換体を作出した。 組換え遺伝子はラット尾より抽出したゲノムDNAを直接シーククエンスし確認した。組換え遺伝子の発現は、各組織より抽出したトータルRNAを用いたリアルタイムRT-PCRにより評価した。 遺伝子組換えラットを2系統得て、うち一系統(S284L-TG)をその後の繁殖および実験に用いた。S284L-TGの妊孕力は野性型のラットと変わらず、出生個体数も変化なかった。また出生仔中の組換え体数もメンデルの法則に矛盾しなかった。 S284L-TGでは、c.856T>C:c.857C>T変異を持つmRNAの発現が中枢神経と筋肉を中心に確認された。 S284L-TG睡眠中の脳波で頻回の発作波の出現がみとめられた。これに一致し、ADNFLEの発作のひとつであるparoxysmal arousal発作を1日200回程度認めた。また時に一部全般化するmotor attackも認めた。 しかしながら、筋力、協調運動,自発運動量、痛み感受性は組換体と組換体の間で差異は認められなかった。さらに、ペンテトラゾール誘発けいれんも、発現までの潜時、さらにけいれんの持続時間に組換体と同胞非組換体の間で変化はなかった。
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Research Products
(6 results)