2002 Fiscal Year Annual Research Report
ラット精子の凍結保存および凍結精子による人工授精に関する研究
Project/Area Number |
14658273
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中潟 直己 熊本大学, 動物資源開発研究センター, 教授 (30159058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏崎 直巳 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (90298232)
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Keywords | ラット / 精子 / 凍結保存 / 人工授精 |
Research Abstract |
Wisterラットで開発した精子凍結保存方法を用いて、近交系、ミュータントおよびトランスジェニックラットの精子を保存し、それら精子の凍結融解後の運動率および授精成績について調べた。 【方法】凍結精子作製にはLong-Evans、WKY/Ncrj、BN/Crj、F344/Ducrj、WTC. ZI-zi、TRM、EGFP/TgおよびA/Tgラットより採取した精巣上体精子を用いた。採取した精巣上体尾部を室温下で凍結用1次希釈液[Lactose8%(v/v)、Egg yolk23%(v/v)、Dibekacin 10mg/100mlを、Tris 10%溶液でpHを7.4に調節したもの]1.5ml中で細切した。この精液を15℃に30分間放置し、その後、5℃の冷蔵庫に30分間入れ、5℃まで冷却した。次に、1.5mlの5℃に冷却した1次希釈液にEquexStmを1.4%(v/v)添加した希釈液を加え、0.25mlのプラスチックストローに充填し、液体窒素液面上に放置後、液体窒素に凍結保存した。凍結精液の融解方法は液体窒素より取り出したストローを37℃の温水中に浸漬する事により行った。凍結融解精子の運動率は、融解した精液を培養液中に浮遊させ、その希釈精液の一部を37℃の精液性状検査板を用いて調べた。また、希釈した凍結融解精子を、偽妊娠を誘起した雌ラットの左右子宮角上部に0.05ml(総精子数:1〜3×10百万)ずつ注入することにより、人工授精をおこなった。 【成績】すべてのラット凍結融解精子に運動性が認められ、また、それら凍結精子を子宮内注入することにより、正常な産子が得られた。 【結論】本凍結保存方法により近交系、ミュータントおよびトランスジェニックラット精子の凍結保存が可能であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)