2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14658280
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎮西 恒雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20197643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯山 隆 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20302789)
阿部 裕輔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90193010)
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Keywords | フラーレン / 圧力センサー / 体内埋め込み / フラーレン薄膜 / マイクロ加工 |
Research Abstract |
本年度はフラーレン薄膜圧力センサーチップの製作を行った。センサーチップの基材としてはシリコンを使用し、半導体プロセスを用いて加工を行った。フラーレン薄膜の形成には蒸着法を用い、膜厚が調整可能なようにして評価を行った。フラーレン薄膜の加工にはマイクロ放電加工機を使用した。センサーチップ全体の絶縁としては生体適合性を考慮してポリパラキシリレンによるコーティングを行った。また専用増幅回路のプロトタイプの設計・作成を行い回路の評価を行った。 マイクロ放電加工機による加工は対象物が導電体である必要があるが、フラーレンが薄膜であり基材としてシリコンを用いているため、本センサーチップの加工も可能となる。マイクロ放電加工機による加工では半導体プロセスによる加工と異なり、加工過程でもセンサーとしての評価が可能な利点がある。この利点をいかし、センサー作成途中におけるゲインなどのセンサーのパラメータの微調整が可能となった。 ポリパラキシリレンによるコーティングは他のコーティング法と異なり、角に対しても均一な膜厚でコーティングすることができる。そのため、全体における膜圧は従来のコーティング法よりも薄くでき、コーティングによる圧力の伝達損失の削減にもつながり、高い応答性を持つセンサーの作成が可能となる。 フラーレンの電気抵抗は非常に高く、通常の圧力アンプは入力インピーダンスが低すぎるため使用不可能である。そのため専用の増幅回路が必要となる。この増幅回路は非常に微細な信号の増幅が必要とされるため、そのノイズ対策が重大な問題となる。信号出力部との電源の分離などにより、使用可能な増幅回路が得られた。 今後動物実験に向けて集積化・カニューレの組み込みの検討を行っていく予定である。
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