2002 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲治療のための体内硬化型有機―無機ナノハイブリッド骨修復材料
Project/Area Number |
14658290
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大槻 主税 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (00243048)
|
Keywords | 有機-無機ハイブリッド / 低侵襲治療 / 体内硬化 / 骨修復材料 / 人工骨 / 水酸アパタイト / リン酸カルシウム / 複合材料 |
Research Abstract |
ヒトの運動機能を支持する骨組織の欠損は、生活の質(QOL)の大幅な低下をもたらす。従って、けがや病気で骨欠損が生じた場合には、短期でその機能を回復する医療技術が重要となる。現在、骨欠損の機能を修復する場合に、金属やセラミックスでできたインプラント材料が使用されている。しかしそれらの埋入おいては、インプラント材料に合わせて周囲の骨組織を成形する必要があり、患者への組織侵襲が大きくなってしまう。臨床の現場からは、手術室で自由に成形できる操作性、骨と直接結合する生物学的親和性(生体活性)ならびに骨と同じ力学的特性が求められている。これらの要求を満たす新素材を開発するために、本研究課題では、流動性を示す状態で供給され、体液と接触すると有機高分子と水酸アパタイトを析出しながら硬化して、骨組織と結合できる有機-無機ハイブリッドとなる新素材を創製することを目的とする。 材料の基本的な材料設計を、水溶液中における多糖類の高分子析出現象とリン酸カルシウムからの水酸アパタイト生成の同時反応を基礎要素とした。この反応により体液環境で有機-無機ナノハイブリッドが構築される材料の条件を探索した。酢酸セルロースを乳酸エチルに溶解させこれにリン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウムの等モル混合物を混和して、パテ状物質を得た。これを生理食塩水中に浸漬すると、100分以内に流動性を失い、水酸アパタイトを析出しながら固化し、3日で25Mpa程度の圧縮強度を発現する材料が得られることが明らかになった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 大槻主税: "体液模倣環境における有機高分子表面での水酸アパタイト析出の誘起"NEW GLASS. 17. 17-21 (2002)
-
[Publications] J.M.Oliveira: "Proceedings of 17^<th> European Society for Biomaterials Conference, 2002"European Society for Biomaterials. 1 (2002)
-
[Publications] T.Kawai: "Proceeding of 2nd Asian BioCereamics symposium (ABC2002)"Committee of Asian BioCeramics symposium. 4 (2002)
-
[Publications] T.Miyazaki: "Proceeding of 2nd Asian BioCereamics symposium (ABC2002)"Committee of Asian BioCeramics symposium. 4 (2002)
-
[Publications] H.Inada: "Bioceramics, Vol.15 (Key engineering Materials Vols.240-242), ed. by Besim Ben-Nissan, Doron Sher and William Walsh"Trans Tech Publications Ltd.. 4 (2002)
-
[Publications] T.Kawai: "Bioceramics, Vol.15 (Key engineering Materials Vols.240-242), ed. by Besim Ben-Nissan, Doron Sher and William Walsh"Trans Tech Publications Ltd.. 4 (2002)
-
[Publications] T.Miyazaki: "Bioceramics, Vol.15 (Key engineering Materials Vols.240-242), ed. by Besim Ben-Nissan, Doron Sher and William Walsh"Trans Tech Publications Ltd.. 4 (2002)