2003 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲治療のための体内硬化型有機―無機ナノハイブリッド骨修復材料
Project/Area Number |
14658290
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大槻 主税 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (00243048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上高原 理暢 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教務職員 (80362854)
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Keywords | 有機-無機ハイブリッド / 低侵襲治療 / 体内硬化 / 骨修復材料 / 人工骨 / 水酸アパタイト / リン酸カルシウム / 複合材料 |
Research Abstract |
ヒトの運動機能を支持する骨組織の欠損は、生活の質(QOL)の大幅な低下をもたらす。従って、けがや病気で欠損が生じた場合には、短期でその機能を回復する医療技術が重要となる。現在、骨欠損部の機能を修復する場合に、金属やセラミックスでできたインプラント材料が使用されている。しかし、それらの埋入においては、インプラント材料に合わせて周囲の骨組織を成形する必要があり、患者への組織侵襲が大きくなってしまう。臨床の現場からは、手術室で自由に成形できる操作性、骨と直接結合する生物学的親和性(生体活性)ならびに骨と同等な力学的特性が求められている。これらの要求を満たす新素材の開発をするために、本研究課題では、流動性を示す状態で供給され、体液と接触すると有機高分子と水酸アパタイトを析出しながら硬化して、骨組織と結合できる有機-無機ハイブリッドとなる新素材を創成することを目的とする。 本年度は、酢酸セルロースを乳酸エチルに溶解させた溶液とリン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウムの等モル混合物を練和したペーストの水溶液中における力学的特性および化学的特性を調べた。ペーストを緩衝液(pH7.25)に浸漬すると、ペーストは酢酸セルロースおよび水酸アパタイトを析出しながら硬化した。緩衝液に7日間浸漬した後の試料の圧縮強度および弾性率は、酢酸セルロース濃度または粉液比が大きくなるにつれ大きくなる傾向が見られ、ヒトの海綿骨と同等の値を示す硬化体も得られた。さらに、ペーストをヒトの体液とほぼ等しい無機イオン濃度を有する擬似体液に浸漬すると、硬化が進行すると共に試料表面にアパタイトを析出した。これは、得られたペーストが生体活性を示す可能性が高いことを示す。以上の結果より、得られたペーストは体液との反応で硬化し、ヒトの海綿骨と同等の力学的性質と生体活性を併せ示す新規骨修復材料として期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] C.Ohtsuki: "Development of Bioactive Paste with Improved Handling"Transactionsof the Materials Research Society of Japan (Trans.MRS-J). (印刷中).
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[Publications] T.Kawai: "Fabrication of a Bioactive Calcium Phosphate Paste with Cellulose Acetate"Transactions of 7th World Biomaterials Congress. (印刷中).