2003 Fiscal Year Annual Research Report
体内における人工心臓の駆動状態監視・制御方法の確立
Project/Area Number |
14658300
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
本間 章彦 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (20287428)
|
Keywords | 人工心臓 / 血液ポンプ / ダイアフラム / 超音波振動子 / 音速 / 伝播速度 / 駆動状態監視 / シリコーンオイル |
Research Abstract |
1.超音波センサ一体型血液ポンプの製作 本研究では、シリコーンオイルによる油圧で血液ポンプのダイアフラムを駆動する「電気油圧駆動方式」全人工心臓を対象とした。超音波振動子を血液室側と油室側のハウジング外側面に対向するようにして設置し、血液室側振動子から発せられた超音波が血液中とシリコーンオイル中を異なる伝播速度で透過して対向する油室側振動子に到達するまでの伝播時間を計測することで、ダイアフラム位置の計測ができることを現在までに確認した。超音波の送受信を安定して行うためには、センサのハウジングへの取り付け位置を詳細に検討する必要があるため、複数個の超音波センサをポンプハウジングの任意の位置へ取り付け、その送受信状態の評価を行った。センサの取り付け方向や、送信側振動子と受信側振動子の位置の組み合わせにより、その送受信状態に大きな差が生じることを確認した。超音波の減衰を極力抑えるセンサのハウジングへの取り付け位置は、ポンプ駆動時のダイアフラムの動きも影響していると考えられ、これについては今後詳細な検討が必要であると思われた。 2.超音波送受信回路の試作 基礎的な検討を行うために、超音波の伝播時間の計測には汎用の超音波計測システムを使用していたが、本システムは非常に大型であり、必要でない機能も多く含まれている。そこで、本研究の使用目的に合致した機能に特化し、また使用している超音波振動子の特性も考慮した、専用の小型超音波送受信回路の試作を行った。試作した回路を用いて、超音波の伝播時間の計測が可能であることを確認し、伝播時間の変化から、従来使用していたシステムと同様に血液ポンプの駆出、充満状態の認識が可能であり、伝播時間の絶対値からその程度の計測が可能であることを確認した。今後、更に回路の改良を行い、性能の向上と、ポンプの駆動状態の認識を行うプログラムの開発もあわせて行う。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 上村匡敬, 本間章彦, 築谷朋典, 角田幸秀, 巽英介, 他: "超音波センサーによる拍動流ポンプのダイアフラムの位置計測"第31回人工心臓と補助循環懇話会. 105 (2003)
-
[Publications] 小堀賢司, 丹野大輔, 福井康裕, 本間章彦, 角田幸秀, 巽英介, 他: "駆動圧を利用した拍動流ポンプの駆動状態認識"人と技術を支えるフォーラム2003論文集. 19 (2003)
-
[Publications] T.Kamimura, A.Homma, T.Tsukiya, Y.Kakuta, E.Tatsumi, et al.: "Detection of diaphragm positions of a pnermatic ventricular assist device with ultrasound sensors"ASAIO Journal. Vol.49 No.2. 152 (2003)