2003 Fiscal Year Annual Research Report
近代フランスにおける諸宗教の変容と宗教政策、社会の「非聖化」
Project/Area Number |
14701008
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
松嶌 明男 清泉女子大学, 文学部, 助教授 (20306210)
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Keywords | 西洋史 / フランス史 / 近代史 / フランス革命 / 第一帝政 / 礼拝の自由 |
Research Abstract |
平成15年度は、イタリア・ナポリ大学において10月1日から3日にかけて開催された、フランス革命史国際委員会での共同報告および全世界から集まったフランス革命史研究の専門家との意見交換が研究の主軸であった。今回の委員会のテーマは、各国におけるフランス革命史研究とその成果の普及教育に関する情報と認識の共有であった。日本からの共同報告は東京国際大学教授遅塚忠躬氏、早稲田大学非常勤講師早川理穂氏と私の三名であった。この報告の準備も、それ自体が共同研究となった。報告は、内容的には日本におけるフランス革命史の研究動向の紹介である。その中でも、私が進める宗教史の新しい視点からの再検討は、世界的な研究動向の中でも意義のあるものとして評価された。 現地における史料調査としては、12月から1月にかけて、ロンドンの大英図書館で調査を行った。これは主に敬神博愛教の発行したパンフレットの現物を調査することが狙いであったが、これまで不明であった出版社の住所の確認や、カトリック側から出された対抗宣伝物も目にすることができて、非常に有益であった。3月にはミュンヘンとパリで実地調査を行った。ミュンヘンの聖母大聖堂では、破壊された鐘の修復が終わった記念の展示がなされており、カトリック世界における鐘に対する愛着の実際に触れることができた。パリでは二次史料の調査を進め、国立図書館だけでなく、FNACなど現地書店でも最新の研究書を入手することができた。今後の研究に大きく貢献するものと考える。
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