2003 Fiscal Year Annual Research Report
近低温・極超高分解能角度分解光電子分光による電子-フォノン超伝導体の電子状態
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14702010
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
横谷 尚睦 東京大学, 物性研究所, 助手 (90311646)
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| Keywords | 超高分解能光電子分光 / 超伝導体 / 電子-フォノン結合 / 超伝導ギャップ異方性 / ネスティング |
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| Research Abstract |
近低温・極超高分解能光電子分光により電子-フォノン超伝導体および超伝導体の電子状態の研究を行った。MgB_2のBをCに置換することにより電子ドープした試料で角度分解光電子分光測定を行いバンド分散とフェルミ面形状の変化を研究した。その結果、電子ドープにともないフェルミ準位近傍のバンド分散が高結合エネルギー側にシフトすること、ブリルアンゾーンΓ点近傍に存在するホール的フェルミ面の面積が減少することをみいだした。2H-NbSe_2の超伝導ギャップの運動量依存性を角度分解光電子分光により詳細に研究し、2H-NbSe_2においても比較的大きな異方的があることをみいだした。f電子超伝導体CeRu_2のバルク超伝導ギャップをレーザーを励起光源とする光電子分光で測定した。低励起光を用いることにより光電子の脱出深さが増加するため、表面の電子状態がバルクと異なる物質においてもバルク超伝導電子状態を研究できることがわかった。CeRu_2が異方的s-波超伝導体であることに対する直接的な証拠を得た。新Co酸化物超伝導体の電子状態をレーザー光電子分光で研究することにより、フェルミ準位付近に低温で擬ギャップが形成されることをみいだした。建設を進めてきた単結晶清浄試料表面作成装置は、到達真空度4x10^<-11>Torr、試料加熱最高温度1800℃以上を達成した。これを用いYNi_2B_2Cの単結晶清浄試料表面の作成に成功した。さらに角度分解光電子分光測定を行い、バンド分散、フェルミ面形状を観測することに成功するとともに、超伝導ギャップの運動量依存性の観測にも成功し、大きな超伝導ギャップ異方性を観測した。また、フェルミ面がネスティングを示す点で超伝導ギャップが小さくなっていることを見いだした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] C.Jariwala, et al.: "comparative study of the electronic structure of MgB_2 and ZrB_2"Phys.Rev.B. 68. 174506 (2003)
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[Publications] T.Takeuchi, et al.: "Soft X-ray emission and high-resolution photoemission study of quasi-two-dimensional superconductor Na_xHfNCl"Physica C. 392. 127-129 (2003)
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[Publications] T.Tsuda, et al.: "X-ray absorption and resonant photoemission spectroscopy of ZrB_2"Physica C. 392. 259-262 (2003)
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[Publications] Tsuda, et al.: "Definitive experimental evidence for two-band superconductivity in MgB_2"Phys.Rev.lett.. 91. 127001 (2003)
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[Publications] T.Itoh, et al.: "Soft x-ray energy-dependent angle-resolved photoemission study of CeIrIn_5"JOURNAL OF PHYSICS-CONDENSED MATTER. 15. S2149-S2152 (2003)
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[Publications] T.Tsuda, et al.: "Identical superconducting gap on different Fermi surfaces of Ca(Al_<0.5>Si_<0.5>)_2 with the AlB_2 structure"Phys.Rev B.. (in press).
