2002 Fiscal Year Annual Research Report
歪みを内在したバンドギャップ分散半導体複合結晶の創製
Project/Area Number |
14702017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇治原 徹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60312641)
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Keywords | 複合材料 / 半導体 / シリコン / SiC / ゲルマニウム / 太陽電池 / 歪み / 結晶成長 |
Research Abstract |
異相粒子分散などの複合材料化により、半導体内部に歪み場を形成することで、バンドギャップや電子移動度制御した「粒子分散型半導体複合結晶」なる材料を提案、その一例として、Si結晶にSiC粒子を分散させることで結晶中に異なるバンドギャップを分散させた「SiC粒子分散型Si基複合結晶」の試作を行なった。この材料は、バンドギャップ分散によりSiでは吸収できない波長の光を吸収することが可能で、その結果、高効率太陽電池材料として期待できる。 本年度は、物性確認のためのプロトタイプ作製を目標とし、次の方法でバルク結晶と薄膜結晶の作製を試みた。 (1)バルク結晶:出発材として、Si粉末(平均粒径10μm)とSiC粉末(平均粒径0.27μm)を混合し、グラファイト坩堝に入れ、高周波誘導炉により1600℃〜1800℃まで加熱・等温保持し、その後急冷した。この方法で、Siマトリクスに1〜5μmのサイズのcubic型SiCが分散した組織が得られ、分散粒子周辺のSi母相に圧縮歪みが生じていることを確認した。 (2)薄膜結晶:Si基板上にSiとSiCの同時スパッタにより、500nm程度のSi-SiCアモルファス膜を形成、600〜1300℃で10〜3000min等温時効することでアモルファスを固相成長させ、その過程において、SiC分散を行なった。その結果ナノサイズのグラファイト粒子、SiC粒子分散組織が得られ、こちらについても、歪みを確認した。 また、これらの材料の吸収係数を測定した結果、シリコンとは異なる波長依存性を持つことを確認した。また、薄膜材料に関しては、太陽電池の試作も行なった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Usami, T.Takahashi, K.Fujiwara, T.Ujihara, G.Sazaki, Y.Murakami, K.Nakajima: "Strain distribution of Si thin film grown on multicrystalline-SiGe with microscopic compositional distribution"J. Appl. Phys.. 92. 7098-7101 (2002)
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[Publications] K.Nakajima, N.Usami, K.Fujiwara, Y.Murakami, T.Ujihara, G.Sazaki, T.Shishido: "Growth and properties of SiGe multicrystals with microscopic compositional distribution for high-efficiency solar cell"Sol. Energy Mater. Sol. Cells. 73. 305-320 (2002)
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[Publications] N.Usami, T.Takahashi, K.Fujiwara, T.Ujihara, G.Sazaki, Y.Murakami, K.Nakajima: "Evidence for the presence of built-in strain in multicrystalline SiGe with large compositional distribution"Jpn. J. Appl. Phys. 41. 4462-4465 (2002)