2002 Fiscal Year Annual Research Report
電界誘起エピタキシャル光重合法による新しい炭素ネットワークの構築と物性
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14702018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 敏宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10262148)
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Keywords | 有機薄膜 / 電界効果トランジスタ / 光重合 / 光電子分光 / フラーレン / 低次元物質 / ラマン / 電子エネルギー損失分光 |
Research Abstract |
本年度に得られた成果は下記の通りである。 1.有機電界効果トランジスタの光電子分光を行うための装置に改良を加え、ゲートバイアスによる電場を遮蔽して、電界効果トランジスタとしての電気特性を測定しながら同時に再現性よくスペクトルの測定を行う手法を確立した。 2.C_<60>に対して、532nmのCWレーザー照射により光重合したエピタキシャル薄膜を作成し、紫外光電子分光を測定した。その結果、C_<60>に比べてバンド幅が広くなっていること、特徴的なピークシフトが見られることを明らかにした。光重合度はラマンスペクトルから98%以上であると見積もられた。重合度を明らかにした上で紫外光電子分光を精密に測定した結果ははじめてである。 3.C_<60>超薄膜電界効果トランジスタに対して、電子の移動度の膜厚依存性を測定した。 4.3.の試料に対して、電界を印加しながら光電子分光を測定し、測定中に数分で起こる価電子帯構造の変化は2.で得られた光重合による変化と一致することを明らかにした。電界誘起光重合が起こっているものと考えられる。 5.4.の試料に対して、電界を印加すると0.8eVの束縛エネルギーを持つ準位の相対強度が上昇することが明らかになった。電界注入されたキャリア準位をはじめて観測したものと思われる。 6.他の物質系(マンガンフタロシアニン、アニリンなど)に対して電界効果光重合が起こるかどうか予備的な実験を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Shimada, A.Koma: "Electron spectroscopy of C_<60> thin film FET structures"Jpn.J.Appl.Phys.. 41. 2724-2726 (2002)
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[Publications] T.Shimada, A.Koma: "Prospects of electron spectroscopy of working organic electronic device structures"ICICE Trans.Electron. E85-C. 1330-1331 (2002)
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[Publications] K.Ueno, H.Shirota, T.Kawamura, T.Shimada, K.Saiki, A.Koma: "Highly-stable passivation of a Si(111) surface using bilayer-GaSe"Appl.Surf.Sci.. 190. 485-490 (2002)
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[Publications] T.Miyadera, A.Koma, T.Shimada: "Ultraviolet photoelectron spectroscopy of methyl terminated Si(111)"Surf.Sci.. 526. 177-183 (2003)
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[Publications] Y.Kamimuta, A.Koma, T.Shimada: "Electron spectroscopy of chemically synthesized CdS clusters"Solid State Commun.. 125. 581-585 (2003)
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[Publications] T.Shimada, T.Kaji, K.Saiki A.Koma: "Interferometric microscopy observation of the initial stage of electrochemical crystal growth of (DMe-DCNQI)_2Cu"J.Cryst.Growth. (in press). (2003)