2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14702020
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城田 幸一郎 独立行政法人理化学研究所, ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (00291071)
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Keywords | 液晶 / フォトニック結晶 / レーザー発振 / 2光子吸収 |
Research Abstract |
初年度に引き続き、液晶のフォトニック構造を利用したレーザーの開発を進め、2光子励起レーザー発振および電場による発振制御の検討を行った。 1.2光子励起によるレーザー発振 可視光発振を1光子励起で行う場合には紫外から可視の強力なレーザー光でセルをポンプする必要があるため、ポンプ光によりレーザー色素分子に損傷を与えてしまう。一方、レーザー色素の吸収域から離れた近赤外光を用いれば、色素へのダメージを抑えることができる。そこで、近赤外光のポンプによる2光子励起レーザー発振の研究を行った。試料は、誘電バンド端を608nmに調整したキラルネマチック(N^*)液晶に、レーザー色素(DCM)を添加したものであり、25μm厚の水平配向セルに注入して実験に用いた。1光子および2光子励起には、フェムト秒OPAシステム(パルス幅:約130fs)からの540nmおよび1000nmのパルスを用いた。どちらの励起波長においても閾値をもって誘電バンド端でレーザー発振が起きた。閾値以下の近赤外光で励起した際の蛍光強度は、入射光強度の1.9乗に比例しており、2光子吸収による蛍光であることを示唆している。よって、1000nmで励起した際に609nmで起きるレーザー発振は誘電バンド端における2光子励起レーザー発振である。この結果はICON07/ICOPE2003、PECS-Vで口頭発表するとともにAppl.Phys.Lett.(印刷中)に発表した。 2.電場による波長チューニング 波長チューニングの第1歩として、電場によるグランジャン-フォカルコニック(G-F)組織間の変化を利用して、発振の電場制御を行った。通常のN^*液晶を用いると、G-F相転移の閾値電場が高すぎることが分かった(>3x10^6V/m)。そこで、フッ素含有した低閾値液晶を合成し、レーザー発振の電場制御の研究を進めている。
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Research Products
(1 results)