2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14702027
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川野 聡恭 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 助教授 (00250837)
|
Keywords | ナノテクノロジー / バイオテクノロジー / バイオ・ナノテクノロジー / 流体工学 / 応用数学 / シミュレーション / 人工心臓 / 医療機器 |
Research Abstract |
近年,ナノテクノロジーやマイクロマシンに関連した,MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)およびμ-TAS(μ-Total Analysis System)における流動現象が注目されるようになり,超微細スケール流れへの感心が高まっている.たとえば,超微細流路では,静電気力,表面張力,壁面との濡れや分子間引力の効果が顕著になってくるが,従来のNavier-Stokes方程式に基づく流体力学ではこれらを正しく記述することができない.微小スケール流動では未知の現象と未解決の問題が数多く残され、これが新技術創生や生産効率向上の大きな障壁となっている.我国の技術立国としての回生には,ナノ・マイクロスケール境界領域における技術的難問題を克服するための新しい流体工学理論の枠組みが必要である. 本年度は,ナノ・マイクロ流体工学の基本となるシミュレーションコード(電気化学反応を伴う微小流れ,マイクロ放電,生体高分子)をさらに発展させ,民間企業との共同研究を行い,数値解析結果と実験結果とを定量的に比較検討した.その結果,本年度の理論的研究成果は,リチウムイオン二次電池,プラズマディスプレイパネルの数値設計およびDNAの基本的流動機構の解明に応用することができ,実用に供する基礎技術を開発することができた.これらの成果は,国内外の専門学会において発表され活発な議論を呼んだ.また,日本機械学会年次大会において,ワークショップ「ナノ・マイクロ流体工学」をオーガナイズし、当該研究分野の発展とその先導に尽力した.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Satoyuki KAWANO, Tomoyuki SHIGA, Chikako TAKATOH, Tomoji KAWAL: "Molecular dynamics simulation in nanowiring of poly(dG)-poly(dC) DNA on highly orientated pyrolytic graphite"MICRO SYSTEM Technologies 2003. 568-570 (2003)
-
[Publications] 川野聡恭, 志賀智行: "生体高分子の大変形を考慮した拘束系MDシミュレーション手法の開発"シミュレーション. vol.23, No.1(掲載予定). (2004)
-
[Publications] S.Kawano, F.Nishimura: "Electrochemical-Thermal Analysis of Lithium Ion Batteries Based on Nano/Micro-Scale Multiphase Fluids Model"Proc.The 1st International Symposium on Micro & Nano Technology, Honolulu, USA (2004). (掲載予定)(in press). (2004)
-
[Publications] 川野聡恭, 丸山洋平: "電子衝突によるDNAらせん崩壊の量子力学的アプローチ"シミュレーション. 第23巻第1号(掲載予定). (2004)