2002 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体ナノ単結晶構造の物性解明と新機能電気光学デバイスの創出
Project/Area Number |
14702035
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
徳田 崇 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (50314539)
|
Keywords | 酸化物強誘電体 / 微細加工 / 圧電応答顕微鏡 / PZT / PLZT |
Research Abstract |
PLZTおよびPZTの2種の強誘電体薄膜の単独層および積層構造を、RFマグネトロンスパッタリング法によって形成し、その形成条件と構造解析を行った。また、横方向のナノサイズ化を目的として、リソグラフィによる熱処理前・後の加工について検討を行った。さらに成膜・加工によって形成した強誘電体微細構造に対して種々の評価を行った。本年度得られた結果は以下のようなものである。 1.STO基板上での最適熱処理温度を600℃前後と定めることができ、この際のX線回折測定においては、(001)方向にきわめて強く配向したエピタキシャル構造を得ることができた。また積層構造の形成が、室温におけるアモルファス形成⇒熟処理のプロセスでも可能であることを確認した。 2.熱処理の際の相互拡散について評価し、最大数十nmのLaイオンの拡散が見られることを確認した。 3.微細加工を施した室温成膜アモルファス膜は、熱処理過程において無視できない横方向への成長を示すことを確認した。平成15年度においては横方向成長の結晶学的な詳細な評価等が必要である。 4.微細化した強誘電体構造に対する圧電応答顕微鏡観察により、強誘電性は微細構造においても維持されていることを確認した。微細化にともなう強誘電性の定量的評価が課題である。 5.圧電応答顕微鏡観察によって、PZT薄膜において厚さ100nm以下の薄膜においても強誘電性が維持されている状況を見出した。
|