2002 Fiscal Year Annual Research Report
異方性薄膜の弾性率テンソルの非接触共振計測と膜複合組織のマイクロメカニックス評価
Project/Area Number |
14702049
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻 博次 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90252626)
|
Keywords | 薄膜 / 超音波計測 / 弾性定数 / 異方性 / 共振 / 非接触測定 |
Research Abstract |
本研究では薄膜の異方性弾性定数の計測法の確立,および,弾性定数テンソルから薄膜組織を弾性的に評価することを目的としている.基本的な測定原理は,薄膜/基板体の共鳴周波数(固有振動数)を測定して薄膜の弾性率を決定するというものである.様々な振動モードの共鳴周波数を測定することによって,5つの独立な弾性定数をすべて決定することが可能である.平成14年度においては,スーパーヘテロダイン位相検出法を用い,また温度制御に注意することで,10^<-5>の精度で共鳴周波数を測定することのできるシステムを構築した.これにより,ナノスケール薄膜の弾性異方性は検出することができる準備が整った.また数値シミュレーションにより,基板厚さや膜厚の測定誤差などが薄膜の弾性率テンソルの測定結果に与える影響を調べ,実際に得られる弾性率の信頼性を検証した.その結果,膜厚が数%以内の誤差で決定することができれば,得られる弾性定数の誤差も数%以内であることが分かった.これらの知見に基づいてシリコン基板上に成膜した銅薄膜の弾性異方性を検出することに成功した
|