2002 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントの集団現象による軟体動物的移動様式に関する研究
Project/Area Number |
14702065
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山田 孝治 琉球大学, 工学部, 助教授 (90274886)
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Keywords | マルチエージェント / 軟体動物 / クモヒトデ / モジュール型ロボット / 冗長多脚ロボット / セルオートマトン / 分業問題 |
Research Abstract |
本研究は,軟体動物の筋肉運動をマルチエージェントの相互作用的な行動モデルとして獲得することにより制御則を実装することを目的とする.また,環境に合わせた多様な移動形態を実現可能な軟体動物型ロボットを開発し,軟体動物の移動様式の工学的応用を確立するため,多自由度多足を有し,様々な歩行形態に対応可能な実機の製作を行うことである. 本年度は,クモヒトデの観察およびキャプチャ動画からのモーション解析を進めた.棘皮動物の1種であるクモヒトデは,5本の長い腕(わん)を有し,単純な構造にもかかわらず,柔軟な接続機構により多様な行動を生成する.この腕は,単一骨組織が繰り返しつながっておりモジュール構造と考えることが出来る.このような機能の実現を考慮し,クモヒトデの腕の結合組織であるキャッチ結合メカニズムを実現するモジュール型ロボット群を設計・製作し,軟体移動型ロボットの実験環境を構築した.モジュールの結合様式に対するローカルエージェントプログラミングの評価をモジュールの動作実験を通じて行った. また,筋細胞レベルでの相互作用運動を考察し,セルオートマトンを用い,集団現象としての触手運動を検討した.さらに,軟体動物の筋肉運動を複数のエージェント群の集団現象として取り扱い,エージェントの接続構造と合意形成により定まる動作体としてモデリングを行った.冗長多脚ロボットの関節機構をモジュール構造を有するエージェント群として表現することで,制御システムを検討し,コンピュータシミュレーション及び,実機での動作確認を行った.エージェントの構成に関し,免疫的分業問題最適化を行った. 次年度は,エージェントシミュレーションにおいて,移動体を構成するエージェントの状態伝播ネットワーク設計を進化的計算手法を導入し,実機においては,冗長多脚ロボットを構成するモジュールのローカルコントロールによる全体制御の検討を進める.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Naruaki Toma: "A Proposal and Evaluation of an Extended Immune Optimization Algorithm Using the Immune Co-evolutionary Phenomenon and the Cell-cooperation for the Division-of-labor Problems"Intelligent Engineering Systems through Artificial Neural Networks, vol.12(editor C.H.Dagli et al.), ASME PRESS SERIES(ISBN 0-7918-191-8). Vol.12. 173-178 (2002)
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[Publications] Yuhei Akamine: "The Development of a Compiler for the Cellular Automata Simulator Using MMX Technology"Intelligent Engineering Systems through Artificial Neural Networks, vol.12(editor C.H.Dagli et al.), ASME PRESS SERIES(ISBN 0-7918-191-8). Vol.12. 969-974 (2002)
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[Publications] 赤嶺有平: "セルラ・オートマトン・シミュレータ用インタプリタの開発"人工知能学会誌. 17巻4号D. 380-389 (2002)
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[Publications] 當間愛晃: "免疫細胞間協同作用および抗原との共進化現象を用いた免疫的分業問題最適化手法の提案と評価"日本ファジィ学会誌. Vol.4,No.6. 616-629 (2002)