2002 Fiscal Year Annual Research Report
誘導結合プラズマと表面波プラズマを利用した新しい無水銀光源の開発
Project/Area Number |
14702067
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
神野 雅文 愛媛大学, 工学部, 助教授 (30274335)
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Keywords | ICP / 無電極 / 光源 / RF / 希ガスランプ |
Research Abstract |
初年度は、光源開発の基礎となる1)ガス排気/封入系の構築、2)RF-ICPおよびVHF-ICP回路の設計と製作、3)RF-ICP希ガスプラズマの発光特性の測定、4)表面波励起用マイクロ波回路の設計、を行った。当初予定していた表面波励起用マイクロ波回路の作成と表面波励起によるプラズマおよびVHFによるプラズマの発光特性の測定は回路部品調達の都合により、次年度開始直後に行うこととした。 RF(13.5MHz)の電源に大容量のコンデンサからなるマッチングボックスを通してガラス容器に貼り付けたアンテナへRF電力を供給し、誘起される放電の様子と発光(主に輝度)を調べた。なお、封入ガスは希ガスおよび水銀-希ガスの混合気体とした。放電容器はガラス管(直管)、小型の平面形の二種類とした。 測定の結果、投入電力の増加とともにプラズマの発光輝度は上昇するが、ある電力を超えるとE放電からH放電に変化するとともに急激に輝度の上昇する「モードジャンプ」が生じ、Arではこれが顕著に生じるが、その他のガスではモード間の差がアルゴン程は大きくないことが確認された。またネオンプラズマでは、実用に十分な輝度が得られた。しかしながら、入力電力が数十ワットと大きいために、まだ効率は十分とはいえない。同様の測定を内側に蛍光体を塗布した容器で行ったところ、水銀-希ガスの放電では、実用に十分な輝度が得られた。しかしながら、ネオンの場合も、水銀-希ガスの場合も、効率がまだ十分に高くないため、次年度は、封入ガスの圧力や混合ガスを試し、光源として最適なガスの組み合わせを明らかにする予定である。また、次年度に繰り越しとなった、表面波プラズマの光学的特性を調べる予定である。さらには、パルス駆動を試すとともに、プラズマパラメータの測定を行い、プラズマ内の物理を明らかにする予定である。
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