2003 Fiscal Year Annual Research Report
散逸過程により形成するフォトニック結晶を利用した新規光→化学エネルギー変換構造体
Project/Area Number |
14703017
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松下・I 祥子 独立行政法人理化学研究所, 散逸階層構造研究チーム, 基礎科学特別研究員 (50342853)
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Keywords | 色素増感 / 光電変換 / 自己組織化 / 自己集積 / 太陽電池 / 微粒子 / 酸化チタン / オパール |
Research Abstract |
本研究は、散逸過程により作製される微粒子の規則構造を用いた光→化学エネルギー変換機能材料を作製することを目的としている。取り扱った散逸構造は、薄膜上の溶液に働く移流を利用して直径19nmから21μmの微粒子を集積する微粒子アレイと言う構造体であり、作製条件により微粒子を一層、二層、三層と層数を作り分けることが出来るなどの特徴を持つ。微粒子アレイそのものは、光波長程度の周期構造体と言う観点からフォトニック結晶として、あるいは気液界面の自己組織体と言う観点からたんぱく質集積のモデルとして研究されている。さらに、加工したい材料の表面に微粒子アレイを作製し、マスクとして用いるとシリンダー型構造が、また、テンプレートとして用いるとバルブ型構造を得ることができ、機能性材料の作成の基材としても興味深い材料である。 本年度は熱融着により作成したフリースタンディング型微粒子アレイ(作成法については昨年度報告済み)の透過スペクトルを検討することにより、自己集積型フォトニック結晶に対する基板の影響を考察した。その結果、球自身のモードとしてのwhispering galleryモード(球の内部を回るモード)について、フリースタンディング化したアレイの方が、通常のアレイに比べて理論値に近いところにディップが生じることがわかった。さらに、フリースタンディング化したアレイでは、通常のアレイでは確認できなかった隣接した球の近接場の共鳴によるモードも確認することができた。 また、本年度は、酸化チタンバルブ型構造体(作成法については昨年度報告済み)にルテニウム系色素を化学吸着させて色素増感型太陽電池を作成し、構造体内の色素の発光挙動ならびに光電変換効率を測定し、フォトニック結晶が光化学反応にどう影響を与えるかを検討した。その結果、構造が色素の発光挙動に影響を与えること、および色素一モルあたりの光電変換効率が変化することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsushita, S.I et al.: "Flexible Two-Dimensional Fine-Particle Arrays and Their Photonic Characters"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 406. 111/[305]-118/[312] (2003)
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[Publications] Matsushita, S.I et al.: "Influence of substrate on self-assembled photonic crystal"Chemical Communications. 506-507 (2004)