2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポジ型感光性高分子の界面吸着膜による環境低負荷型金属配線基板の開発
Project/Area Number |
14703028
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中川 勝 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10293052)
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Keywords | 表面・界面物性 / 超薄膜 / 材料加工・処理 / 高分子合成 / 界面科学 / 金属化 / 化学めっき |
Research Abstract |
今21世紀初頭では、エネルギー、CO_2、有害化学物質、産業廃棄物等から生じる環境問題が山積みであり、化学産業では製造技術の抜本的革新が望まれている。材料表面に配設される光反応性有機ナノ薄膜は、母体材料の組成を維持できる点でリサイクルを促進する、さらには、表面特性を劇的に変化させうる極軽、極薄の究極の有機素材であると考えられる。このような背景に基づき、申請者は、水媒体技術に対応できるポジ型感光性高分子吸着剤を開発した。本研究では、ポジ型感光性高分子吸着剤を用いて作製できる環境低負荷型金属配線基板の製造原理を学術的に探求し、より高精細で性能に優れた金属配線基板を実現することを目的とする。 アディティブ法に分類される金属配線基板の作製原理を詳細に検討するために、正電荷としてピリジニウム基を側鎖に有し、紫外線照射で主鎖構造等が切断される新規感光性高分子吸着剤を合成した。シリカ基板、表面酸化Si基板、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂に、感光性高分子吸着剤が静電的に吸着することを、平板基板のゼータ電位測定と高感度分光光度計測定により明らかにした。シリカ基板上に作製した吸着膜の紫外線照射による光化学反応を追跡し、吸着膜を構成する高分子を光切断する条件を求めた。その後、脱イオン水による洗浄を行うと、露光部の基板表面が吸着膜修飾前の基板表面とほぼ同じ状態になっていることがゼータ電位測定から明らかとなった。無電解めっき触媒として、SnCl_2コロイド微粒子とPdCl_2水溶液を用いて、無電解ニッケルめっきを行った。正に帯電した触媒粒子は、負に帯電した露光部の基板表面に優先的に吸着し、正に帯電する未露光部の吸着膜表面には、吸着しにくくなっていることが分かり、本研究の選択的金属化法が表面のゼータ電位差を利用した新規めっき法であることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Nawa, et al.: "Relationship of Zeta potential to molecular structure of multivalent cationic adsorbates on silica and PET substrates"Trans. Mater. Res. Soc.. (印刷中). (2003)
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[Publications] D.Ishii, et al.: "Preparation of copper tubes with a submicron pore"Trans. Mater. Res. Soc.. (印刷中). (2003)
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[Publications] M.Nakagawa, et al.: "Photopatterning of self-assembled monolayers to generate aniline moieties"Colloids and Surfaces A. 204(1-3). 1 (2002)
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[Publications] K.Onda, et al.: "Controlling packing structure of hydrophobic alkyl tails of monolayed films of ion-paired macrocyclic amphiphiles as studied by sum-frequency generation spectroscopy"J. Phys. Chem. B. 106(15). 3855 (2002)
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[Publications] 中川 勝: "光反応性分子層を用いた微粒子の選択吸着"高分子加工. 52(2). 1 (2003)
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[Publications] 中川 勝: "光機能性自己組織化単分子膜"光機能性有機・高分子材料の新局面(CMC). 45 (2002)