2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表面抗原特異的ヒト抗体の網羅的選択・調製と応用
Project/Area Number |
14704006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
津本 浩平 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90271866)
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Keywords | 細胞表面抗原 / 抗体 / 相互作用 / がん細胞 / ファージディスプレイ / EGFR / 融合蛋白質 / 可溶化 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が技術基盤を構築してきた、ヒト抗体の安定かつ高効率な人工選択・調製システムを最大限に生かして、細胞表面抗原に対するヒト抗体の網羅的作製のための技術基盤構築を目指すと同時に、ポストゲノム研究で重要な側面を持つ、膜蛋白質を中心とした蛋白質構造・機能評価系への展開と応用を図ることを目的としている。本年度の成果は以下の通りである。 1、細胞を使ったヒト抗体の選択 遺伝子の多様性創出に、試験管内免疫化(in vitro immunization)が有効であることに鑑み,細胞そのものあるいは発現させた可溶性分子を用いてマウス脾臓細胞に加えミエローマ細胞と融合することにより得られる細胞由来遺伝子を用いた選択も同様に行った.ターゲットは、前年度に引き続き,癌抗原と同定されているEGFR (Her1)あるいはアポトーシス関連分子を形質導入したCHO細胞に加え,樹立癌細胞株(TFK-1,Colo-1)とした。申請者らが構築した手法で引き続き選択を行い,抗体VH鎖またはVL鎖を濃縮した.得られた抗体を可溶性分子として調製,その詳細な機能評価を行った.これらの結果を通じて、細胞を用いた選択においては、細胞表面からの特異的な溶出方法の確立、顕微鏡による直接観察での特異性確認、内在化との対応、が重要であることを明らかにした。 2、各種融合蛋白質の構築 前年度までの研究実績に基づいて,サイトカインIL-12、IL-21と癌細胞表面抗原特異的抗体を融合させ、顕著な癌細胞障害性導出を可能にし、免疫療法への応用への基盤を得たたほか、融合蛋白質の物性に関して新規な知見を得た。二重特異性抗体Diabodyの汎用的調製法を確立したほか、新規に得たCD16特異的抗体を用いた新しいDiabodyを構築,その機能評価を行った。抗原調製法の重要性に鑑み、Argとその誘導体を用いた新しい封入体からの可溶化法を構築した。
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Research Products
(17 results)